水使用量の削減
サステナビリティ
経営
ESGマテリアリティ
環境に配慮したものづくり
サステナビリティ課題領域
重点項目
課題認識GRI:303-1, 303-2
近年、気候変動の影響により干ばつや洪水が増加し、農作物の生産に深刻な影響を及ぼすなど、水資源を取り巻く状況は一層厳しさを増しています。また、2024年時点で世界の約22億人が安全に管理された飲料水に安定的にアクセスできない状況にあり※1、人口増加や気候変動の進行により、2050年には世界人口の約半分が水ストレス地域に居住するとの予測もあります※2。
このように、水資源は食料生産を支える基盤であると同時に、人々の生活に不可欠な資源であり、その安定的な確保と持続可能な利用は、国際社会における重要な課題となっています。
不二製油グループは「食の素材の可能性を追求し、食の歓びと健康への貢献」という社会的使命のもと、主原料である農産物の生産や、製品の製造・加工において水資源を利用して事業を展開しています※3。こうした事業特性を踏まえ、水使用量の削減および効率的な利用を通じて水資源の持続可能性の確保に貢献することを、重要な経営課題と認識しています。
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※1 United Nations Statistics Division (UNSD), “The Sustainable Development Goals Report 2025 – Goal 6: Clean water and sanitation”(英語)
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※2 MIT (Oceans at MIT), “Predicting the future of global water stress”(英語)
https://oceans.mit.edu/mit/mit-news/predicting-future-global-water-stress.html
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※3 総取水量、取水源別内訳、水リスクを伴う地域からの総取水量ほかはESGデータブック参照。
ESGデータブック
https://www.fujioil.co.jp/pdf/sustainability/download/esg2026.pdf(1.17MB)
リスク管理の取り組みGRI:303-1,303-2
Aqueductの活用
当社グループ拠点における水関連リスクについては、Aqueduct※1やリスクマップを参考にしながら、各グループ会社が立地する地域の水リスクを評価して対策を講じ、定期的にモニタリングしています。
2025年度に実施したAqueductによる分析結果では、ベルギーの生産拠点が水ストレスリスクの高い流域に位置していることが確認されました。これに対し当該拠点では、運河水の工業用への利用や排水リサイクル利用など、取水リスク低減を適切かつ継続的に行っています。また、水質汚濁リスクに関しては、米国・日本・東南アジアの一部の生産拠点がリスクの高い地域に該当していますが、いずれの生産拠点も各国の排水に関する法規制を遵守しています。なお、これまで課題として認識していた中国グループ会社における排水規制違反リスクおよびインドネシアのグループ会社における洪水リスクについては、いずれも必要な対策を既に講じています。
サプライチェーン上流の原料生産に関わる水リスクについては、2023年度のパーム油およびカカオ生産国の自然関連リスク分析の中で、水ストレスや渇水リスク、水質浄化、洪水リスク、水質汚濁に関するリスクを評価しました※2。
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サステナビリティ経営>環境マネジメント>気候・自然関連インパクト、リスク・機会の管理
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/environmental_management/#topic02
- ※1 Aqueduct:世界資源研究所(WRI)が発表した水リスクを示した世界地図・情報を提供するツール。
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※2 生物多様性の保全と回復>リスク管理の取り組み>パームおよびカカオの自然関連リスク分析結果
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/biodiversity/#analysis_results
パーム油製造時の排水(POME)由来バイオメタンの有効利用
当社グループでは、事業所内の取り組みにとどまらず、原料調達エリアなどのサプライチェーン上流やその周辺流域を含めた水資源リスク管理を推進しています。その一例が、パーム油調達における主要パートナーであるUnited Plantations社における取り組みがあります。
同社では、パーム油製造工程で発生する排水(POME※)を適切に処理する過程で、バイオメタンを回収し発電に活用しています。この電力は、当社グループのユニフジ(マレーシア)に提供され、油脂の精製工程で使用されており、製造プロセスの脱炭素化(温室効果ガス削減)に寄与すると同時に、排水の適切な処理と資源化により、水質への負荷低減と周辺流域環境の保全にも寄与しています。
- ※ POME(Palm Oil Mill Effluent):パーム油製造時に発生する有機物を多く含む排水。
指標と目標
課題認識、リスク評価に基づき、当社グループは2025年、「環境ビジョン2030/2050」※1を改定し、水使用量削減に関して2030年度までに基準年度(2020年度)比で水使用量原単位を20%削減するという新たな目標を設定しました。
| 2030年度目標※1 | 2025年度実績※1 | 2030年度目標の 達成率 |
|---|---|---|
| 原単位※2で20%削減(グループ全体※3) | 16.6% | 83% |
- ※1 基準年度:2020年度。
- ※2 生産量当たりの水使用量。
- ※3 グループ全体のうち、プロヴァンス ユイル(フランス)は除く。グループの対象は、2026年3月末時点。
グループ会社一覧
https://www.fujioil.co.jp/pdf/sustainability/download/esg2026.pdf#page=13(1.17MB)
〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満
| 2025年度目標 | 2025年度実績 | 自己評価 |
|---|---|---|
| 削減活動における改善事例の横展開を図る |
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〇 |
| 環境監査の実施等によりPDCA(Plan-Do-Check-Action)を回すことで、水使用量(原単位)の継続的な削減を図る | 環境監査を通じて、環境管理状況および法令遵守状況を確認し、現在の管理水準および課題を共有した。今後、改善計画の策定と実施を推進するため、まずはPDCAの「P」のサポートから着手 | 〇 |
考察
水使用量原単位は、2025年度実績で基準年度(2020年度)比16.6%削減となりました。生産量の伸びが鈍化したことが主な要因となり、前年の17.5%削減から0.9ポイントの悪化です。この結果、2030年度目標に対する達成率は83%となりました。
Next Step
各生産拠点の継続的な取り組みにより、水使用量原単位は目標達成に向けて順調に推移しています。2026年度も、この進捗を確実な成果につなげるため、生産現場における水使用条件や運用方法の見直しを継続するとともに、再利用水の適用範囲拡大や設備洗浄プロセスの改善など、各拠点の実情に即した取り組みを推進していきます。さらに、改善事例の横展開や環境監査を通じてPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを確実に回すとともに、環境データ収集システムも活用した水使用量の見える化により、課題の早期把握と是正を進めます。2025年度以降は、貴重な水資源の更なる有効活用を図るため、新たな目標の達成に向け、以下を通じて、グループ一体となった取り組みを一層強化していきます。
- 実地を重視した環境監査
オンライン形式を適宜活用しつつ、可能な限り実地での監査を重視します。設備状況や運用実態を現場で直接確認することで課題の的確な抽出および是正につなげ、PDCAを確実に回し、水使用量(原単位)の継続的な削減を図ります。 - グループ会社における削減状況のモニタリング
- 情報展開ツールを利用した、他拠点の成功事例の横展開
具体的な取り組み
グループ会社における節水活動
当社グループでは、製造拠点を対象に環境部門による環境監査を行っています。「水使用量の削減」については、環境監査を通じて、水使用量の測定・記録方法および管理体制を確認しています。また、水資源に関する関連法令を遵守した運営が行われているかを確認した上で、使用量削減に向けた取り組みや改善活動の実施状況を評価しています。併せて現場視察では、設備や配管からの漏水の有無を確認し、水使用量の増加や水資源の無駄遣いにつながるリスクへの対応状況を確認しています。2025年度は海外4グループの監査を実施し、軽微な改善事例はあったものの、概ね適切に運営されていることを確認し、計画的に改善を進めています。
2025年度の節水活動事例は以下のとおりです。
表:2025年度の節水活動例
| 国 | 事業所 | 具体的な取り組み |
|---|---|---|
| シンガポール | フジオイル(シンガポール) |
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| 中国 | 不二製油(張家港)有限公司 |
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| 中国 | 巴洛美巧克力製造(上海)有限公司 |
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| 中国 | 天津不二蛋白有限公司 | 地下給水パイプラインにおける漏水箇所を修理 |
| ガーナ | フジ オイル ガーナ | 従業員に向けた節水教育を実施 |
| 米国 | フジ ベジタブル オイル | MBR(メンブレン・バイオリアクター)処理水の冷却塔への再利用拡大(1基で実施、2基で展開推進中) |
| 日本 | 関東工場、神戸工場 |
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