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課題認識

天然資源の枯渇や廃棄物による環境汚染、GHG排出による気候変動といった課題が顕在化する中、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄を前提としたリニアエコノミーから、資源を持続可能な形で利活用するサーキュラーエコノミーへの移行は、世界的な喫緊の課題となっています。資源消費や、廃棄物の発生は依然、課題と認識されており、実効性のある資源の高度利用化および廃棄物削減は、企業活動において強く求められています。
不二製油グループでは、大豆を原材料とした大豆たん白事業を端緒に、創業当時よりアップサイクルの発想を技術開発に組み込み、資源の有効利用と価値化に取り組んできました。一方で、工場排水に含まれる汚泥や油脂の精製工程で発生する廃白土に加え、製造工程段階や使用段階におけるフードロスの課題も認識しています。
「食の素材の可能性を追求し、食の歓びと健康への貢献」を使命とする当社グループにとって、資源を無駄なく活用し、廃棄物の発生を抑制することは事業活動の基盤に関わる重要なテーマであり、生物多様性や気候変動への対応の観点からも、廃棄物の削減を重要な課題と位置づけています。

指標と目標GRI:306-2,306-3

2030年度目標※1 2025年度実績※1 2030年度目標の
達成率
原単位※2で10%削減(グループ全体※3 23.4%削減 234%
再資源化率99.8%以上を維持(国内グループ会社) 99.83% 100%

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2025年度目標 2025年度実績 自己評価
削減活動における改善事例の横展開
  • 海外グループ会社4社へ環境監査を通じた社内啓発を実施
  • 廃棄物量削減に関する改善事例をグループ会社へ横展開
環境監査の実施等によりPDCA(Plan-Do-Check-Action)を回すことで廃棄物量(原単位)の継続的な削減を図る 環境監査を通じて、環境管理状況および法令遵守状況を確認し、現在の管理水準および課題を共有した。今後、改善計画の策定と実施を推進するため、まずはPDCAの「P」のサポートから着手

考察

廃棄物量原単位は、2025年度実績で基準年度(2016年度)比23.4%削減となりました。これは前年の22.9%削減から0.5ポイント好転となります。この結果、2030年度目標に対する達成率は234%となりました。
国内グループ会社での再資源化率について、2025年度は99.83%となり前年度の99.84%から0.01ポイント悪化しましたが、再資源化率目標(99.8%以上を維持)は達成しました。引き続き廃棄物の分別を徹底し、再資源化を推進していきます。また、環境データ収集システムを活用し、各社の廃棄物データをタイムリーに収集、分析することで、各社の廃棄物量削減意識のレベル向上に取り組みました。

図:年間廃棄物総排出量と原単位推移

画像からPDFファイルへリンクします(338KB)

図:国内グループ会社年間廃棄物総排出量と再資源化率

画像からPDFファイルへリンクします(549KB)

Next Step

当社グループの事業特性から、廃棄物として汚泥や廃白土の割合が多く、これらの削減が課題となっています。近年、これらの廃棄物をバイオエネルギー源とみなし、クリーンエネルギーの創出への活用が増えてきました。廃棄物の再生や有効活用の探索も視野に入れながら、2026年度は以下の目標に取り組みます。

  • 実地を重視した環境監査
    オンライン形式を適宜活用しつつ、可能な限り実地での監査を重視します。設備状況や運用実態を現場で直接確認することで課題の的確な抽出および是正につなげ、PDCA(Plan-Do-Check-Action)を確実に回し、廃棄物量(原単位)の継続的な削減を図ります。
  • グループ会社削減状況のモニタリング
  • 情報展開ツールを利用した、他拠点の成功事例の横展開

具体的な取り組みGRI:306-2

廃棄物削減の取り組み

当社グループでは、製造拠点を対象に環境部門による環境監査を行っています。廃棄物量の削減に関しては、廃棄物の種類別管理、分別および処理方法の管理体制を確認しています。併せて、廃棄物処理に関する法令・規制を遵守した運営がなされているかを確認し、廃棄物の増加や不適切な処理による環境・法令リスクの低減や是正対応の適切さを評価しています。現場視察においては、廃棄物の保管・分別状況や不適切な運用が行われていないかなど、環境負荷や法令違反リスクの低減が図られているかを確認しています。2025年度は海外4グループの監査を実施し、軽微な改善事例はあったものの、概ね適切に運営されていることを確認し、計画的に改善を進めています。
2025年度の廃棄物削減活動事例は以下のとおりです。

表:2025年度の廃棄物削減活動事例

事業所 具体的な取り組み
インドネシア フレイアバディ インドタマ
  • 製品のこぼれや廃棄を削減
  • 紙箱からリユース容器へ転換し、資源循環を推進
  • 梱包材を品質確認の上、再利用
中国 不二製油(張家港)有限公司 排水処理工程への乳化分離装置の導入による汚泥発生量の削減
マレーシア パルマジュ エディブル オイル 白土使用量を最適化することで廃白土の量を削減
シンガポール フジオイル(シンガポール) 廃白土を埋立処分からリサイクルへ転換し、発生量を削減
日本 関東工場、千葉工場
  • 排水汚泥処理サイクル変更による汚泥発生量の削減
  • 廃油の有価資源化による廃棄物削減
  • 白土添加量の最適化による廃白土発生量の削減
ベルギー フジオイル ヨーロッパ 昨年度に引き続き、廃白土の全量をISCC EU認証バイオ燃料としてメタンガス製造会社に引き渡し、バイオガス発電に活用
中国 巴洛美巧克力製造(上海)有限公司 カカオ豆の灰の再利用
  • ※ ISCC EU認証(International Sustainability & Carbon Certification):バイオマスや再生品などの持続可能な原材料を使用して製品を製造する企業や団体を認証する国際的な認証制度。

廃棄物再資源化の取り組み

廃棄物総排出量は減少している一方で、埋立量の削減が十分でないことが課題です。今後も分別の徹底と再資源化への転換を進め、再資源化率の向上に取り組みます。

製造工程におけるフードロス削減の取り組み

当社グループは、FAO(国際連合食糧農業機関)や各国のフードロスの定義を参考に事業体制に合った「フードロス」を定義し、2023年度よりモニタリングを実施しています。

2025年度のフードロス削減活動事例は以下のとおりです。

  • 製品の品質管理を徹底し、製品の廃棄ロスを削減
  • 生産ラインにおける製品こぼれ低減による廃棄物削減
  • 「検品廃棄」「生地廃棄」の削減活動

不二製油グループのフードロス定義

人が消費する目的(食用)で生産・加工されたもののうち、食用以外の用途となったもの(動物の飼料なども含む)。