廃棄物の削減
マテリアリティ
環境に配慮したものづくり
方針
不二製油グループは、2015年に「環境基本方針」を策定しました。
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不二製油グループ 安全品質環境 基本方針
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/policy/basic_policy/
ガバナンス
当社グループは、取締役会の諮問機関であり代表取締役社長兼CEOが委員長を務めるサステナビリティ委員会※1を設置しています。サステナビリティ委員会では、ESGマテリアリティ重点項目「廃棄物の削減」※2について、マルチステークホルダーの視点で審議・監督し、取締役会へ答申しています。また、執行役員 安全品質生産技術本部長管掌のもと、「環境ビジョン2030/2050※3」達成に向け取り組みを推進しています。
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※1 ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標>ガバナンス
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/sustainability_management/#governance
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※2 ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標>指標と目標
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/sustainability_management/#index
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※3 環境マネジメント>指標と目標
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/environmental_management/#index
戦略
天然資源の枯渇や廃棄物による環境汚染、GHG排出による気候変動の課題がある中、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄を前提としたリニアエコノミーから、持続可能な形で資源を利活用するサーキュラーエコノミーへの移行が世界の喫緊の課題となっています。当社グループでは、脱脂大豆を原材料とした大豆たん白事業を端緒に、創業当時よりアップサイクルの発想を技術開発に組み込み、資源の有効利用と価値化に積極的に取り組んできました。しかし、製造過程では依然、工場排水に含まれる汚泥や、油脂の精製工程で発生する廃白土に加え、製造工程段階や使用段階における、フードロスや消費期限切れによる製品廃棄も生じています。これらの課題に対応するため、「環境ビジョン2030/2050」のもとグループ全体で廃棄物量の削減に取り組んでいます。廃棄物原単位の削減目標を掲げ、廃棄物の再資源化※1や副産物の高付加価値化にも取り組み、グループ一体となって目標達成を目指しています。資源の有効活用やリサイクル技術の革新を推進することで、廃棄物処理にかかるコストの削減や環境負荷低減、新たな事業機会の創出につながります。例えば、食品副産物を活用した新たな食品素材やバイオ燃料の開発、廃棄物のリサイクル技術の向上による循環型ビジネスの拡大など、持続可能な成長に向けた競争力強化が期待されます。さらに当社では、開発段階における技術革新や廃棄物の積極的な有効活用を通じて、フードロスの削減とアップサイクル※2に関する取り組みも進めています。
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環境マネジメント>戦略
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/environmental_management/#strategy
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※1 ESGデータブック参照。
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※2フードロスの削減とアップサイクル
リスク管理
不二製油グループでは、ESGマテリアリティ・サステナビリティ課題領域「環境に配慮したものづくり」に関するリスクと機会を、全社重要リスク項目と関連づけながら、体系的に管理しています。
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全社重要リスク
リスク分類「戦略」「環境・人権」「調達」
指標と目標GRI:306-3
2030年度目標※1 | 2024年度実績※1 | 2030年度目標の 達成率 |
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原単位※2で10%削減(グループ全体※3) | 23% | 230% |
再資源化率99.8%以上を維持(国内グループ会社) | 99.84% | 100% |
- ※1 基準年:2016年度。
- ※2 原単位:生産量当たりの廃棄物量。
- ※3 インダストリアル フード サービシズ(オーストラリア)、フジ ブランデンブルク(ドイツ)は除く。
〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満
2024年度目標 | 2024年度実績 | 自己評価 |
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継続的な廃棄物量削減活動の推進および従業員への意識啓発 |
|
〇 |
考察
廃棄物量原単位は、対基準年度(2016年度)削減率について、2024年度実績は23%削減となり、前年の15%削減より8ポイント好転しました。この結果、2030年度目標に対する達成率は230%となりました。不二製油(株)における白土添加量の見直し、海外生産拠点における生産ラインからの製品こぼれや原料ロスの削減、新たな廃棄物処理業者の選定、洗浄方法の見直しなどが、廃棄物量原単位の削減に寄与しました。
国内グループ会社での再資源化率について、2024年度は99.84%となり前年度の99.85%から0.01ポイント低下しましたが、再資源化率目標(99.8%以上を維持)は達成しました。引き続き廃棄物の分別を徹底し、再資源化を推進していきます。
環境マネジメントについては、環境監査を通じて改善を図り、再資源化の考え方などを共有しました。また、環境データ収集システムを通じて各社の廃棄物に関する情報収集と分析をタイムリーに行うことで、各社の削減レベル向上に取り組みました。
年間廃棄物総排出量と原単位推移

- ※ 2016年度以降の海外総排出量を修正して原単位を再計算しました。
国内グループ会社年間廃棄物総排出量と再資源化率

Next Step
当社グループの事業特性から、廃棄物として汚泥や廃白土の割合が多く、これらの削減が課題となっています。近年、これらの廃棄物をバイオエネルギー源とみなし、クリーンエネルギーの創出への活用が増えてきました。廃棄物の再生や有効活用の探索も視野に入れながら、2025年度は以下の目標に取り組みます。
- 削減活動における改善事例の横展開
- 環境監査の実施等によりPDCA(Plan Do Check Action) を回すことで廃棄物量(原単位)の継続的な削減を図る
具体的な取り組み
廃棄物削減の取り組み
2024年度の廃棄物削減活動事例は以下のとおりです。
- 不二製油(株)では、白土添加量の見直しを実施しました。
- フレイアバディ インドタマ(インドネシア)では、独自の改善プログラムを通じて、製品こぼれや原料ロスを削減しました。
- ハラルド(ブラジル)では、新たな廃棄物処理業者を選定し汚泥をリサイクルしました。
- フジオイルヨーロッパ(ベルギー)では、昨年度に引き続き廃白土の全量をISCC EU認証※バイオ燃料としてメタンガス製造会社へ販売し、バイオガス発電に活用されました。
- ※ ISCC認証(International Sustainability & Carbon Certification):バイオマスや再生品などの持続可能な原材料を使用して製品を製造する企業や団体を認証する国際的な認証制度。
製造工程におけるフードロス削減の取り組み
当社グループは、FAO(国際連合食糧農業機関)や各国のフードロスの定義を参考に事業体制に合った「フードロス」を定義し、2023年度よりモニタリングを実施しています。
2024年度のフードロス削減活動事例は以下のとおりです。
- フレイアバディ インドタマ(インドネシア)では、独自の改善プログラムを通じて、製品こぼれや原料ロスを削減しました。
- ウッドランドサニーフーズ(シンガポール)では、製品の切り替えに伴い発生するフードロスを削減しました。
不二製油グループのフードロス定義
人が消費する目的(食用)で生産・加工されたもののうち、食用以外の用途となったもの(動物の飼料なども含む)。