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信頼性ある内部通報制度の運用/公正な取引の推進

サステナビリティ
経営

ESGマテリアリティ

公正な企業行動/情報セキュリティ

サステナビリティ課題領域

重点項目

課題認識

企業には、社会の公器として、公正かつ透明性の高い事業活動を実践することが強く求められています。グローバル化の進展や事業活動の高度化に伴い、法令違反や不正行為、情報セキュリティインシデントは、自社にとどまらずサプライチェーン全体や社会に波及し、企業の信頼性や事業継続に重大な影響を及ぼすリスクとなっています。
このような環境下において、コンプライアンスの徹底および情報セキュリティの確保は、企業が果たすべき基本的責務であると同時に、経営基盤を支える重要な要素となっています。不二製油グループは、公正かつ透明性のある企業行動の推進と適切な情報管理体制の構築を、重要な経営課題として位置づけています。

リスク管理の取り組み

腐敗防止GRI:205-1

重点コンプライアンス分野の一つである贈収賄・腐敗防止については、当社グループはグループ全体に適用される贈収賄防止基本規程(社外非公表)を制定し、贈収賄の防止を徹底しています。
また、当社グループを代理して事業を行うビジネスパートナーに対しても同様の基準の遵守を求めており、取引にあたっては事前のデュー・ディリジェンスの実施、および契約への贈収賄防止・汚職防止条項の組み込みなどを通じて、サプライチェーン全体でのリスク低減を図っています。
さらに、これらの施策の実効性を確保するため、贈収賄に関する教育・啓発活動を継続的に実施しています。「不二製油グループ・ビジネス行動ガイドライン」において事例を含めた理解促進を図るほか、従業員に対して定期的なeラーニングおよび集合研修を実施しています。2024年度に実施した贈収賄・腐敗防止に関するグローバルeラーニングの受講率は96.2%となっています。
2025年度は、欧州および一部の米国グループ会社に対し、希望に応じて各社で実施可能な贈収賄・腐敗防止に係るeラーニングの整備・実施環境の提供を行っています。

  • ※ 対象は、当社グループの役員、執行役員およびテーマに関連性の高い役職または部署に属する従業員。

教育GRI:205-2

ビジネス行動ガイドライン

「不二製油グループ憲法」および「不二製油グループ行動規範三原則」は、当社グループにおける基本的な価値観および行動の基盤を示すものです。これらに対し、「不二製油グループ・ビジネス行動ガイドライン」は、日常業務で直面する法令・倫理に関する具体的な判断場面において、従業員が適切に意思決定を行うための実践的な指針として位置づけています。同ガイドラインは冊子およびPDFによりグループ全体に配布されるとともに、当社グループが展開する各国の法令や事業環境に対応するため、多言語(9言語)で整備されています。
これにより、グローバルに一貫したコンプライアンス意識の浸透を図っています。
さらに、ガイドラインに掲載された事例を活用した勉強会の実施などを通じて、各グループ会社においても日常業務への適用を促進しています。このような取り組みにより、従業員一人ひとりのコンプライアンスマインドの更なる涵養を図り、公正かつ透明性のある企業行動の定着につなげています。

コンプライアンス研修

当社グループでは、従業員全体のコンプライアンス意識および実践力の向上を目的に、毎年グローバルでのeラーニングを実施しています。当該eラーニングは、贈収賄・腐敗防止や独占禁止法の遵守など、公正な取引に関わる重要な法令を中心としたコンプライアンス重点分野を対象としており、国内外のグループ会社従業員を対象に多言語(10言語)で展開しています。
これに加え、各国の法令、事業環境、およびリスク特性を踏まえ、対象者やテーマを最適化した集合研修を毎年実施することで、地域特有の課題への対応を強化しています。
2025年度においては、国内では下請法(中小受託取引適正化法)改正への対応として関連部門を対象とした研修を複数回実施し、併せてニュースレターの発信を通じた周知を行いました。また、独占禁止法(カルテル防止)に関する研修も関連部門に対して実施しています。海外においては、中国グループ会社を対象に、利益相反や商業賄賂防止、食品安全に関する法的責任など、地域課題に応じた内容の集合研修を実施しました。
これらの取り組みにより、グローバルで一貫したコンプライアンス基盤の更なる強化とともに、地域ごとのリスクに対応した実効性の高い教育体制の構築を進めています。

中国グループ会社で実施された集合研修

  • ※ 当社グループの役員、執行役員およびテーマに関連性の高い役職または部署に属する従業員が必須受講者。

モニタリング

当社グループでは、法務部門を中心に、監査等委員および内部監査部門、リスクマネジメント担当部門などと連携し、国内外のグループ会社を対象としたコンプライアンスモニタリングを実施しています。
具体的には、各グループ会社に対して内部統制法務確認シートを定期的に回付し、その回答の収集・分析を行うとともに、必要に応じたヒアリングを通じて、カルテルや贈収賄・腐敗行為を含むコンプライアンスリスクの把握およびコンプライアンス活動状況の確認を行っています。
これらの取り組みにより、グローバルに展開する事業活動におけるコンプライアンスリスクを継続的かつ実態に即して把握するとともに、課題の早期発見と是正につなげることで、グループ全体の統制機能の更なる強化を図っています。

内部通報制度GRI:2-26

当社グループでは、法令違反や不正行為など、またはそのおそれのある事案について早期に把握し適切に対応するため、国内向けの「内部通報窓口」および海外グループ会社の役職員などを対象とした「コンプライアンス・ヘルプライン」を設置し、グローバルに通報を受け付ける体制を整備しています。
内部通報規程においては、通報に関する適正な手続きとともに通報者保護を明確に定めており、通報を理由とした解雇その他の不利益な取り扱いを禁止しています。また、通報者に対する不利益な取り扱いや嫌がらせを行った場合には、就業規則などに基づき厳正に対処することとしています。
2025年度にグループ全体で受け付けた通報は84件であり、重大な法令違反は確認されていません。当社グループでは、制度の実効性向上に向けて、通報窓口の利用方法の周知を含む啓発活動を継続的に実施しています。さらに、取締役会は、通報件数の状況やその概要、是正措置の内容について法務部門から定期的に報告を受け、内部通報制度の運用状況を監督しています。
これにより、通報制度を通じたリスクの早期発見と是正、ならびにグループ全体のコンプライアンス体制の強化を図っています。

指標と目標GRI:2-27,206-1

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2025年度目標 2025年度実績 自己評価
重大な法令違反ゼロ 不二製油グループの事業運営に関わる重大な法令違反は0件
内部通報制度に対する信頼感の醸成 グループ全体向けに、内部通報制度の活用にも言及した不二製油(株)役員からのコンプライアンス・トップメッセージを発信
内部通報制度に対する心理的安全性の醸成 通報窓口担当弁護士による不二製油(株)内部通報制度の研修を実施し、改めて周知
グループ全体を対象とするコンプライアンスプログラムの実施 前掲のグローバルeラーニングおよび集合研修の実施
従業員のコンプライアンス意識向上 アンケート「ビジネスとコンプライアンスが対立した場合にコンプライアンスを優先する風土があるか」に対する肯定回答率は90.9%(前年対比0.6ポイント増加)

考察

当社グループでは、従業員のコンプライアンス意識および実践力の向上を目的に、毎年グローバルでのeラーニングおよび各社での集合研修を実施しています。これらの取り組みにより、グローバルで一貫したコンプライアンス基盤の強化とともに、地域ごとのリスクに応じた実効性の高い教育の継続的な高度化を進めています。
これらの施策の結果、従業員のコンプライアンス意識は数年にわたり90%を超える高水準となっており、併せて、各社経営層によるコンプライアンス・トップメッセージの発信などを通じて、風通しの良い組織風土の醸成に関する肯定的評価も高い水準で推移しています。
今後は、こうした取り組みを継続するとともに、経営層によるメッセージ発信を含むコミュニケーションの強化を通じて、コンプライアンスの更なる定着を図っていきます。

Next Step

2026年度も、重大な法令違反ゼロの達成を目標としています。これまでのコンプライアンス施策の推進により、グループ全体における従業員のコンプライアンス意識は高水準を維持しています。
今後は、エンゲージメントサーベイ等を活用した定点観測を通じて、コンプライアンスの浸透状況および組織風土の実態把握の更なる効率化を図るとともに、以下の重点施策に取り組み、制度および運用の実効性向上を図ります。

  • 重大な法令違反ゼロの継続
  • 内部通報制度の利用に係る心理的安全性の醸成
  • 従業員のコンプライアンス意識の更なる向上
  • コンプライアンスを優先する組織風土の醸成状況を把握・評価する体制の見直し