大豆のサステナブル調達
サステナビリティ
経営
ESGマテリアリティ
サステナブル調達
サステナビリティ課題領域
重点項目
課題認識GRI:2-6
大豆は、冷帯から熱帯に至る幅広い地帯で栽培される、世界で最も広く使用されている食品原料の一つです。近年では、世界的な人口増加や健康志向の高まりを背景に、将来の食料課題の解決に貢献し得る重要な作物として、その需要は拡大しています。不二製油グループは、1957年以来、大豆加工素材事業を通じてその価値の可能性を追求してきました。
一方で、大豆の主な生産地域においては、森林破壊や生物多様性への影響、農薬使用による環境負荷に加え、一部地域における先住民・地域コミュニティの権利侵害など、環境・人権に関する課題が存在しています。これらの課題は、持続可能な原料調達や事業継続に直接影響を及ぼし得る重要な経営課題と認識しています。
リスク管理の取り組み
不二製油グループが調達する大豆素材とその利用製品
「責任ある大豆、大豆製品の調達方針」の対象となる取り扱い原料は以下のとおりです。
| 素材 | 利用製品 | 主要産地 | |
|---|---|---|---|
| 脱脂大豆 | 丸大豆から油分を抜いたもの | 大豆たん白素材の原料 | 北米、中国、日本 |
| 大豆たん白 | 脱脂大豆から抽出したタンパク質素材 | 大豆たん白食品 粒状大豆たん白製品 |
|
| 丸大豆 | 丸のままの大豆 | 大豆たん白食品 USS製法利用製品 |
|
| 大豆油 | 丸大豆から抽出した油分 | 大豆たん白食品 油脂製品 |
|
第一次集荷場所までのサプライチェーンの把握(対象地域:米国、カナダ、中国)
当社グループは、「責任ある大豆、大豆製品の調達方針」に基づき、サプライヤーと連携しながらトレーサビリティ確保に向けたサプライチェーンの把握を進めています。
北米および中国産原料については、生産農家から大豆を集荷・保管する第一次集荷場所までのサプライチェーンの可視化を進めています。
サプライチェーンの把握およびトレーサビリティの進捗状況は地域によって差異があるものの、サプライヤーとの協力を通じて、調達に伴うリスクの特定精度を高めながら改善を進めています。
さらに2026年以降は、上流に位置する生産地域コミュニティまで視野を広げたトレーサビリティの高度化に取り組むことで、より実効性の高いサステナブル調達の実現を目指していきます。
RTRS加盟による情報収集(対象地域:米国、カナダ、中国)
当社グループは、持続可能な大豆生産に関するグローバルなイニシアチブの一つであるRTRS※に2020年に加盟し、同プラットフォームを通じた情報収集および知見の活用を進めています。その一環として、2021年6月に「責任ある大豆、大豆製品の調達方針」を策定しました。
引き続き、RTRSをはじめとする国際的な枠組みを通じて、大豆のサステナブル調達に関わるグローバルな動向に関する情報収集・分析を行い調達方針や取り組みの高度化に反映していきます。
- ※ RTRS:Round Table on Responsible Soy Association(責任ある大豆に関する円卓会議)。
指標と目標
〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満
| 中長期目標 | KPI | 2025年度目標 | 2025年度実績 | 自己評価 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2030年 | 2025年 | ||||
| 森林破壊ゼロ、 搾取ゼロ |
コミュニティレベルまでのトレーサビリティ確保、またはRTRS認証品もしくはRTRS認証に準じたその他認証品での調達率:100% | 第一次集荷場所までのトレーサビリティ確保、またはRTRS認証品もしくはRTRS認証に準じたその他認証品での調達率:100% | 第一次集荷場所までのトレーサビリティ確保、またはRTRS認証品もしくはRTRS認証に準じたその他認証品での調達率:100% | 第一次集荷場所までのトレーサビリティの確保:100% | 〇 |
| 環境再生型農業に関わるプログラム活用によるスコープ3低減への取り組み検討 | プログラム内容を把握し、同プログラムを実践している農家の現地確認を実施 | 〇 | |||
考察
2025年度はサプライヤーとの対話を通じて、トレーサビリティの状況把握を北米および中国で推進した結果、第一次集荷場所までのトレーサビリティの確保100%を達成することができました。
Next Step
生産地における課題の把握にあたっては、第一次集荷場所にとどまらず、その上流に位置する生産地域コミュニティまで視野を広げたトレーサビリティの強化が重要です。
また、企業にはサプライチェーン全体を通じた環境および社会への配慮が求められており、これらの課題に対応するため、2026年度は以下の目標に基づき取り組みを推進し、サステナブル調達の実効性向上を図ります。
- 2030年までにコミュニティレベルまでのトレーサビリティ確保、またはRTRS認証品もしくはRTRS認証に準じたその他認証品での調達率:100%
- 環境再生型農業に関わるプログラム活用によるスコープ3低減への取り組み継続の検討
具体的な取り組み
非遺伝子組み換え大豆の調達の堅持
当社グループの大豆加工素材事業では、北米、中国、日本から大豆を調達していますが、ステークホルダーからの要望に応える形で、その全てで非遺伝子組み換え大豆の調達を行っています。
北米地域では、遺伝子組み換え大豆※と非遺伝子組み換え大豆が併存して流通していることから、栽培、輸送、保管の各段階において厳格な分別管理を実施しています。
一方、中国においては、遺伝子組み換え大豆品種の登録・承認の拡大に加え、搾油用途として遺伝子組み換え大豆の輸入量が増加しており、遺伝子組み換え大豆の分別管理の重要性は一層高まっています。このような状況を踏まえ、中国産大豆の調達においては、不二製油(株)で培った管理ノウハウを活用し、グループ各社が連携して厳格な管理体制の維持・強化を図っています。
- ※ 遺伝子組み換え大豆:安定的に大豆を収穫するために、除草剤耐性などの機能を、遺伝子を組み換えることで付与した大豆。
環境再生農業実践農家の視察
当社グループの主要原料サプライヤーでは、大豆を含む穀物の生産農家に対し、環境再生農業の実践を支援するプログラムを提供しています。本プログラムは、農業生産の持続性向上に重要な要素である「土壌の健全化」を目的とした取り組みとして位置づけられています。
2025年8月、本プログラムの実施状況および生産現場における具体的な取り組みを把握するため、米国において農家視察を実施しました。
また、本プログラムへの参加は、温室効果ガス(GHG)排出削減への貢献も期待されており、原料の需要側である当社グループにとっても、環境配慮型の持続可能な原料生産の実現につながる重要な取り組みと認識しています。

環境再生型農業プログラムを行う農家の視察



