油脂中のプロセスコンタミナントの低減
マテリアリティ
食品安全と健康
ガバナンス
不二製油グループは、取締役会の諮問機関であり、代表取締役社長兼CEOが委員長を務めるサステナビリティ委員会※1を設置しています。サステナビリティ委員会では、ESGマテリアリティ重点項目※2「油脂中のプロセスコンタミナントの低減」について、マルチステークホルダー視点で審議・監督し、取締役会へ答申しています。また、上席執行役員 油脂事業本部長管掌のもと、取り組みを推進しています。
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※1 ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標>ガバナンス
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/sustainability_management/#governance -
※2 ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標>指標と目標
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/sustainability_management/#index
戦略
プロセスコンタミナントとは、食品の製造工程で偶発的に生じる、人の健康へ悪影響を与える恐れのある物質のことです。現状では人の健康への影響度合いが不明なため、引き続き国内外のリスク管理機関で検討されています。そのため、合理的に達成可能な範囲で、できる限り食品中の濃度を低減させることが望ましいとされています。
当社グループでは、グループ各社において、従前より顧客からの要請に基づきプロセスコンタミナントの低減に向けて取り組んできました。例えば、風味や食感といった油脂の品質に極力影響しない低減法を開発し、生産プロセスへ導入しました。今後取り組みをより加速させ、昨今高まる市場の期待に対応していきます。
リスク管理
プロセスコンタミナント低減に関する最新の法規制や業界動向、顧客からの要請内容について、定期的にグループ全社から情報を収集し、市場ニーズに前もって対応できるような体制を整えています。
また、プロセスコンタミナントのリスクが少ない原料を供給できるサプライヤーを選定し、協業しながらサプライチェーンを構築する取り組みも進めています。
不二製油グループでは、ESGマテリアリティ・サステナビリティ課題領域「食品安全と健康」に関するリスクと機会を、全社重要リスク項目と関連づけながら、体系的に管理しています。
- 全社重要リスク
リスク分類「戦略」「製品」「調達」
https://www.fujioil.co.jp/ir/policies_and_systems/risk/
指標と目標
〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満
2024年度目標 | 2024年度実績 | 自己評価 |
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グループ7社において、プロセスコンタミナントのうち 3-MCPDEs※1/GEs※2 について、顧客要望に応じて上限数値を設定した製品の供給達成率100%を目指す
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100% | ○ |
考察
2024年度では、グループ⼀丸でプロセスコンタミナント低減を推進する体制の構築により、3-MCPDEs および GEs の上限数値を設定した製品を滞りなく供給することができました。
プロセスコンタミナント低減に関する具体的な取り組み
- プロセスコンタミナントに関する最新の法規制や業界動向、顧客からの要請内容について、定期的にグループ全社から情報を収集し、市場ニーズに事前に対応できる体制の構築
- 3-MCPDEs/GEs 新規低減法に関する研究開発と、そこから得られた知見の生産プロセスへの実装
- プロセスコンタミナントのリスクが少ない原料を供給できるサプライヤーを選定し、協業しながらサプライチェーンを構築する取り組み
Next Step
プロセスコンタミナントの低減は、油脂製品本来の風味・機能性を維持しながら推進することが重要です。
これまでも、風味や食感といった油脂の品質に極力影響しない低減法の開発および各グループ会社への導入を通して、プロセスコンタミナントの低減に努めてきました。
今後も、これまでの知見と合わせて、研究開発活動にて得られる新たな知見も取り入れながら、全社一丸となってプロセスコンタミナントの低減を推進していきます。
具体的な取り組み
プロセスコンタミナント低減への対応
プロセスコンタミナントの低減に向けて、サプライチェーンのさまざまな段階で取り組みを行っています。
使用原料におけるプロセスコンタミナントの低減では、プロセスコンタミナントのリスクが少ないサプライヤーの選定を行い、協業を始めています。川上からサプライチェーンを管理することで、プロセスコンタミナント混入のリスクを低減します。
また、製造工程段階においては、プロセスコンタミナントの生成を低減し混入を抑制するために、風味や色調などの油脂の品質に極力影響しないプロセスコンタミナント低減法を開発し現場に導入するなど、特許を取得した当社グループ独自の手法を活用しながら市場や顧客が期待する品質レベルへの対応を行っています。これら取り組みは、今後も引き続き実施・強化していきます。