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多様な植物性素材の創出

サステナビリティ
経営

ESGマテリアリティ

食品安全と健康/環境に配慮したものづくり

サステナビリティ課題領域

重点項目

課題認識

2050年には世界人口が97億人に達すると予測される中、将来的な食資源不足が懸念されています。同時に、食の供給拡大に伴って環境負荷の増大も避けられず、資源制約のもとで環境負荷を抑えながら安定的に食を供給する仕組みづくりが大きな社会課題となっています。
こうした社会課題に対し、不二製油グループは、動物性タンパク質と比較して一般に環境負荷が低いとされる大豆を中心とした植物性素材に着目し、その特性やおいしさを最大限に引き出すことで、持続可能な食の供給に貢献してきました。この取り組みを継続・深化させ、植物性素材の高度利用・用途拡張を通じて、食の多様化とサステナビリティ志向の高まりに対応し、資源制約下における安定供給と環境負荷低減を両立することが当社グループの使命と認識しています。

機会創出に向けた取り組みとリスク対策

研究開発部門では、日々変化するさまざまな社会課題を素早く捉え、課題解決の機会を創出するために、以下のような取り組みを展開しています。

  • 部署を超えた情報ツール活用による最新情報の交換
  • 産官学連携による植物性素材に関する共同研究およびプロジェクト活動の推進

指標と目標

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2025年度目標 2025年度実績 自己評価
価値観の多様化に貢献する新しい植物性素材の創出 発酵技術および油脂・タンパク加工技術を基盤とする植物性素材において、当初設定した開発・市場導入目標を上回る進展が見られた

考察

「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。」という「不二製油グループ憲法」のビジョンの実現に向け、当社グループがこれまで培ってきた風味や食感を組み立てる技術を駆使し、組み合わせることで、従来よりも品質を向上させた植物性素材を開発しました。

Next Step

単に動物性を代替する植物性素材を提供するのではなく、人と地球の健康に寄与し、食の歓びにつながるおいしさを創造することが重要です。この認識のもと、以下の2026年度目標に取り組んでいきます。

  • 価値観の多様化に貢献する新しい植物性素材の創出

具体的な取り組み

不二製油グループ憲法のビジョン達成に向けた「GOODNOON」ブランド

不二製油グループ憲法※1のビジョン実現に向け、2022年「GOODNOON」※2ブランドを立ち上げました。「GOODNOON」は、単なる代替食品ではなく、「おいしい」の多様な選択肢を提案する植物性食品のブランドです。「驚きのおいしさ」にこだわり、「新規性」「分かりやすさ」「社会課題解決型」「人と地球の健康」の4つの要件を満たす植物性食品を「GOODNOON」として提案しています。「GOODNOON」は「植物性素材が選ばれる方程式を探究する」ことを通じて、これからの「おいしい」食文化のあり方を切り拓き、誰もが食を楽しめる世界の実現に挑戦し続けます。

GOODNOON
  • ※1 不二製油グループ憲法:2023年4月「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。」に改定。
  • ※2 GOODNOON

    https://www.goodnoon.jp/

価値観の多様化に貢献する新しい植物性素材の創出

長年培った油脂加工技術や大豆たん白素材の開発技術を駆使し、植物性素材のおいしさを活かしつつ、食資源不足や地球環境問題の解決に寄与する製品の開発に努めています。
2025年度の主な開発・上市製品は以下のとおりです。

アノザM

不二製油(株)は、キャロブ※1パウダーとエンドウ豆パウダーを組み合わせた独自の風味設計技術を開発し、カカオ豆由来原料不使用ながらミルクチョコレートのような香りと呈味を実現した「アノザM」※2を2024年度末に上市しました。2025年度は、本製品を重点製品の一つとして販売促進に注力しました。
既存チョコレートの一部または全量を置き換えてもおいしさを損なうことなく使用できるほか、単体使用においてもその魅力を活かしたおいしいお菓子づくりが可能で、焼菓子や洋菓子など幅広い用途で活用されています。本製品は、原料選択の多様化を通じて持続可能な食の提供に貢献します。

「アノザM」および使用例

  • ※1 キャロブ:イナゴマメ(和名)のさやから得られる植物性原料。
  • ※2 本製品は乳原料を使用しています。

Melavio®(メラビオ)

独自の油脂加工技術により、植物性油脂をベースとしながら、動物性の甘みやコク、ジューシー感を表現するとともに、植物性油脂ならではのあっさりとしたおいしさと、扱いやすさを両立した油脂シリーズ「Melavio®(メラビオ)」を開発・上市しました。
動物脂の代替にとどまらず、植物性油脂の特性を活かした新たなおいしさと用途提案を通じて、総菜・加工食品分野を中心に、多様な食のニーズに対応しています。

「Melavio®(メラビオ)」

植物ミルク発酵素材シリーズ「DEALI(デアリ)」

自社で丁寧に搾汁した植物ミルクと自然の力を活かした発酵技術を組み合わせ、植物性素材でありながら乳製品のような〈クリーミーなおいしさ〉を実現した植物ミルク発酵素材シリーズ「DEALI(デアリ)」を開発しました。
「DEALI fresh」は繊細でなめらかな質感と爽やかな香りを持つ植物ミルククリーム、「DEALI bright」はバターのような口どけと自然なミルキー感を特長とする植物ミルク発酵バター、「DEALI creamy」はしっかりとしたボディ感とほどける口どけを持つ植物ミルクチーズです。これらの製品は、風味・食感・機能性のバランスが評価され、菓子・ベーカリーを中心に幅広い用途で提案が進んでいます。

左から「DEALI creamy」「DEALI fresh」「DEALI bright」

DEALIシリーズ3製品の使用例

プライムソイミート スライスDB2

大豆ミート素材では、顧客ニーズに対応し、小分け品「プライムソイミート スライスDB2」をこの度上市しました。風味・食感へのこだわりと、肉のような外観と柔らかな食感はそのままに、より使いやすい形態として焼肉などの用途で提案を進めています。

「プライムソイミート スライスDB2」および使用例

動物性食品の満足感を実現する技術MIRACORE®

風味基材事業部では、動物性食品の満足感を植物性で実現する技術MIRACORE®を核に、社会課題の解決と事業拡大の両立を目指した取り組みを進めています。
2025年4月には、植物性で貝の風味を表現する「MIRA-Dashi® C500」を発売しました。さらに同年7月には、粉末状・白湯タイプ「MIRA-Dashi® C820P」を展開し、製品形態の拡張を進めています。これらの新製品は、魚介類のダシ資源に関する将来的な供給不安への備えや、常温流通による海外輸出対応、加工食品分野での活用など、ビーガン・ベジタリアン対応にとどまらない幅広いプラントベース需要を視野に入れたものです。
MIRACORE®では2025年より、誰もが「また食べたい」と思う植物性食品によって、食品の海外輸出、アレルギーなど多様な食ニーズへの対応、人手不足対策といった、食を取り巻くさまざまな課題の両立を目指す考え方を「オールパーパス」として提唱してきました。大阪・関西万博では、「オールパーパス」を実証し、社会実装につなげるための場と位置づけ、食品メーカーやホテル、大学など食に関わる40団体と共創し、MIRACORE®を活用した65品のメニューを試食提供しました。
万博での試食体験を通じて、「また食べたい」と評価されるおいしさが確認され、取り組みの一部は実販売につながるなど、「オールパーパス」の考え方が事業として具体化し始めています。

「MIRA-Dashi® C500」

粉末状・白湯タイプ「MIRA-Dashi® C820P」

大阪・関西万博でのエブリフード様登壇時の会場(2025年9月11日)

提供いただいた「ミライのイエケイ」は、その後給食などでも販売

おいしい植物性食品をより身近に ー市場提案を通じた価値創出ー

当社グループは、これまで培ってきた技術を駆使した植物性食品で「驚きのおいしさ」を実現し、消費者の皆様の「食の選択肢」を提供しています。植物性食品で「おいしい」の多様な選択肢を提供することを目指し、顧客との共創活動を推進しています。

株式会社ニュー・オータニ様

株式会社ニュー・オータニ様が運営される「ホテルニューオータニ(東京)」のレストランメニューに、当社グループの大豆たん白製品や豆乳関連製品を数多くご活用いただいています。

ホテルレストランでのメニュー展開:
左から「トリッパと白いんげん豆のトマト煮込み」「豆乳ヘルシープリン」「豆乳バスクチーズケーキ」
(画像:ホテルニューオータニ様ウェブサイトより)

株式会社cotta様

株式会社cotta様のプラントベースを扱う日本最大級規模のECメディア「cotta tomorrow」は、月間PV120万以上、Instagramのフォロワー数30万以上と、多くの方にご覧いただいています。
不二製油(株)はcottaオリジナル商品の開発に参画し、ソイレブールを使用した「いちごソイバター」、プライムソイを使用した「グラノーラ」の2品を発売いただきました。

「cotta tomorrow」サイト(二次元コード)

cottaオリジナル商品「いちごソイバター」
(画像:cotta様ご提供)

株式会社ファミリーマート様

株式会社ファミリーマート様は、「地球環境にも良いこと、役に立つことを少しずつでもできることから実行していこう。」という思いを込めた「ブルーグリーンプロジェクト」を推進していました。「おいしい植物性由来。」をコンセプトに、当社グループの植物性由来の原材料を使い、おいしさにもこだわったおむすび・デザートなどの商品を定期的に発売し、消費者に新たな食の選択肢をご提供いただきました。

「植物生まれの坦々風おむすび」
(画像:ファミリーマート様ご提供)

「植物生まれのチョコケーキ」
(画像:ファミリーマート様ご提供)

  • 上記の商品は現在販売していません。

大阪公立大学と共同開発、誰もが同じ食卓を囲めるカレー「ひとさらのミライ」

2025年11月、大阪公立大学様より、動物性原料を使用しないレトルトカレー「ひとさらのミライ」が発売されました。本商品は、大阪公立大学生活科学部・生活科学研究科食栄養学分野の学生の皆様が企画・設計したもので、植物性技術MIRACORE®を活用し、不二製油(株)の開発チームが味づくりを支援しました。
開発の背景には、宗教や文化、健康上の理由により、同じ食事をともにできない人がいるという学生の皆様の実体験があります。MIRACORE®由来の植物性ダシ「MIRA-Dashi®」を用いることで、動物性原料を使わずにカレーらしいコクと満足感を実現し、食塩相当量も1食当たり1.6gに抑えました。
「ひとさらのミライ」はキャンパスの大学生協で販売され、食の制限を超えて“みんなで同じ一皿を食べる”という価値を社会に提示しています。本取り組みは、大学発のアイデアと植物性技術MIRACORE®を掛け合わせた産学連携の共創により、食の多様性と共生社会の実現に貢献しています。

「ひとさらのミライ」

持続可能な社会の実現に向けた企業間連携

一般社団法人Plant Based Lifestyle Lab(P-LAB)※1の発足メンバーとして、分野の垣根を超えて集まった企業と連携し、PBF※2の認知向上と普及促進に取り組んでいます。
2025年度も淡路島で開催された「ワールドシェフ王サミット」(2025年11月8~9日開催、P-LAB特別協賛)に参画しました。会員企業協働で提供したプラントベース・カツ丼には、(株)フジサニーフーズ発のGOODNOON製品「やさしいつゆ」が使用され、来場者から高い関心が寄せられました。
また、2025年11月29日には、P-LABが事務局を務める、農林水産省フードテック官民協議会・PBFワーキングチーム主催の「地球とカラダにやさしい、スイーツ展」が、東京農工大学・邂逅館(府中キャンパス)にて開催されました。不二製油(株)もブースを出展し、大阪・関西万博で畠山和也シェフ(店名:feuquiage 調布市)と共創した、みらいのお菓子「森のおしゃべり」を試食提供し、GOODNOON製品が生み出す、植物性ならではのおいしさを、学生のみならず一般のお客様にも体験していただきました。
今後もPBFに関する発信基盤として活動を活発化させるとともに、会員協働による新商品やメニュー開発などPBFによる価値創造を推進していきます。

  • ※1 2021年3月15社で発足、同年10月一般社団法人化。会員53社(2026年5月現在)。
    Plant Based Lifestyle Lab

    https://pbl-lab.net/

  • ※2 PBF:Plant-Based Foodsの略で、植物性食品を指す。

「地球とカラダにやさしい、スイーツ展」への出展の様子

P-LAB全体交流会でのグループワークの様子