グループ会社一覧

CFO 兼 情報開示担当役員メッセージGRI:2-22

サステナブルな価値創造に向けた情報開示と共創の深化

不二製油は、サステナブルな食の未来に向けた価値創造を目指し、多様なステークホルダーの皆様との継続的な対話を大切にしてきました※1。従業員や社会、お客様やお取引先、投資家の皆様の期待を正しく理解し、それを経営や事業に活かすことが、企業の持続的な成長に不可欠だと考えています。寄せられたご意見やご示唆は、ESGマテリアリティの特定プロセスに組み込み、戦略や施策の立案に活かしています。また、ステークホルダーの皆様との相互理解と信頼に基づく共創の関係をより強固にしていくため、当社の方針や取り組みの実態を、分かりやすく、的確に伝えるコミュニケーションツールの充実化に努めています。

現在、国内外でサステナビリティ関連情報の開示要請と基準の整備が急速に進んでいます。2025年3月には、日本のサステナビリティ基準委員会(SSBJ)が、国際的な枠組みであるIFRS S1「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」・S2「気候関連開示」に準拠した開示基準を公表しました。これは、企業が財務情報とサステナビリティ情報の統合的な説明責任を果たすことを前提とした、情報開示の新たな基準として位置づけられています。こうした流れは、企業が環境・社会課題をどのようにリスクや機会として認識し、中長期的な成長戦略にどう統合しているかに対する社会の関心の高まりを示しています。いまや、サステナビリティへの取り組みの真価が問われる段階に入ったと受け止めています。

当社では、2025年度の財務報告からIFRS(国際財務報告基準)を任意適用しますが、サステナビリティ情報に関しては、以前より、国際的なサステナビリティ報告基準であるGRIスタンダードに準拠し、開示しています※2。昨年度からGRIスタンダードへの準拠に加えて、IFRS S1を参考に、ESGマテリアリティ重点項目に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」を体系的に開示しています。さらに、自然資本に大きく依存する食品素材メーカーとして、気候変動リスク(TCFD)および自然関連リスク・機会(TNFD)の両面から、当社事業における環境リスクと機会を捉えた取り組み状況を、統合的に報告しています。

食にまつわる社会課題の解決には生活者の皆様をはじめとするステークホルダーとの信頼関係が不可欠です。これからも、新たな価値創造に向けたステークホルダーの皆様との共創を一層深めるとともに、その過程と成果を誠実に説明し、透明性の高い事業運営と企業価値の持続的な向上に取り組んでまいります。

不二製油株式会社 取締役
上席執行役員 最高財務責任者(CFO)
兼財務経理本部長
兼人事総務本部長
兼情報開示担当

前田 淳