CFOメッセージ
資本効率の向上・財務の健全化を図り、企業価値向上へ

取締役 兼 上席執行役員
最高財務責任者(CFO)兼 財務経理本部長 兼
人事総務本部長 兼 情報開示担当

企業価値の向上は、不二製油グループにとって重要なテーマです。2021年以降、PBR(株価純資産倍率)は1倍前後で推移しており、資本市場からの評価を高めるためには、資本効率の改善と着実な実績の積み上げが不可欠です。PBRはROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)に分解できますが、PBR低迷の要因はROEの低迷であることが明白であり、CFOとして、資本効率を向上させ、財務の健全化を進めてまいります。
2025~2027年度の新中期経営計画では、事業利益450億円、ROE10.0%以上、FUJI ROIC6.0%以上という財務目標を掲げています。2024年度実績(IFRSベース)ROE1.8%、FUJI ROIC2.1%と比較すると、大きなギャップがあります。しかし、今後中計期間3年間において事業利益の成長とそこから生み出すキャッシュの循環により、十分に達成可能な水準であると私は捉えています。
新中期経営計画では、資本効率の改善を最重要課題の一つとして位置づけ、次の3つの重点施策を推進していきます。(1)製品ポートフォリオの見直しと在庫回転率の向上により、運転資本の圧縮を図り、キャッシュ・フローの改善を目指します。(2)各事業本部およびグループ会社においてFUJI ROIC改善に向けた取り組みを強化し、資本効率の向上を図ります。これらの取り組みにより、2024年度末に123日(IFRSベース)であったCCCを、2027年度には95日以下まで短縮を目指します。(3)新体制始動に伴い2025年度に再編した投資管理レビュー制度により、資本コストを基準とした投資・撤退の判断を徹底し、課題の早期発見と解決を実現します。
新中期経営計画の最終年度である2027年度には、現在の高い財務レバレッジを適正な水準へと改善し、持続的な企業価値向上に向けた基盤を確立することが、重要な取り組みであると確信しています。
また、PBRの改善にはPERの向上も重要な要素です。これは、資本市場との誠実な対話を通じて、当社の成長戦略や将来性への理解と期待を醸成することで実現されます。成長戦略、無形資産、サステナビリティなどの情報開示を充実させ、経営の信頼性とガバナンス体制の強化を通じて、事業・財務リスクの低減と期待成長率の向上を図ってまいります。
私は企業価値の向上は、財務指標の改善だけでなく、企業としての信頼と期待の積み重ねによって実現されると認識しています。責任を持って、資本市場に不二製油グループの財務戦略と成長ポテンシャルを発信し、企業価値の向上に貢献してまいります。







