フードロスの削減とアップサイクル
サステナビリティ
経営
ESGマテリアリティ
環境に配慮したものづくり
サステナビリティ課題領域
重点項目
課題認識
今後、世界的な人口増加や、気候変動・生物多様性の喪失による食料需給のひっ迫が懸念されています。
一方で、食品廃棄量が多い国も存在するなど、食資源の偏在はグローバルで大きな課題となっています。
不二製油グループはこうした課題に対し、最終消費者におけるフードロス削減や、食品製造工程で生じる副産物のアップサイクルを通じて、限りある食資源を効率的に活用していくことを、食品中間素材メーカーとしての重要な責務と認識しています。
リスク管理の取り組み
研究開発部門では、日々変化する多様な社会ニーズを素早く捉え、課題解決するために、以下のような取り組みを行っています。
- 課題解決に貢献する商品コンセプトと活用レシピをパッケージにした顧客提案活動
指標と目標
〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満
| 2025年度目標 | 2025年度実績 | 自己評価 |
|---|---|---|
| 【フードロスの削減】 食品の日持ちや賞味期限を延長する手法や製品の開発 |
日持ち・ハンドリング性の向上を目的とする生クリームブレンド用クリームなどを開発し、外食向けを中心に採用が進む。 | 〇 |
| 【アップサイクル】 廃棄物の積極的有効利用による新しい機能や価値の追求 |
大豆食物繊維や大豆多糖類の新たな用途開発が進展。多様な機能を持つ素材が評価され、採用が進む。 | 〇 |
考察
フードロスの削減については、機能性油脂を配合したクリームを新たに開発し、その使用により顧客製品の品質保持期限を延長した結果、複数社で採用されました。
アップサイクルについては、食品用途では、おからの高度利用による新製品「ソヤセル」の用途開発が進み、目的が異なる多様な採用につながりました。また、非食品用途では、大豆ホエイの活用方法の深化による「ソイビオMA」の市場拡大が進みました。
Next Step
できたてのおいしさをより長期間損なわない素材・技術の開発や、廃棄物の積極的な有効利用を追求することに主眼を置き、2025年度に引き続き2026年度も以下の目標に取り組みます。
- 食品の日持ちや賞味期限を延長する手法や製品の開発
- 廃棄物の積極的有効利用による新しい機能や価値の追求
具体的な取り組み
フードロスの削減に貢献するおいしさ維持素材の開発
食品の賞味期限の延長は、フードロス削減に向けて推進する重要施策の一つです。不二製油(株)は、品質保持を可能にする技術や素材の提供を通じ、レトルト食品など長期間保存可能な食品をさらにおいしく、バリエーション豊かにすることで、フードロス削減にも寄与しています。
近年、フードロス対策の観点から、調理後や陳列後の品質を長時間維持できる素材へのニーズが高まっています。
こうしたニーズに対し2025年度は、生クリームにブレンドすることで、時間経過による風味劣化や乾燥を抑制し、ホイップ直後のおいしさを維持するクリーム素材「ミルイージ」を開発しました。
独自開発の高機能油脂により、ショーケース照明などによる品質変化を抑え、品質保持期限の延長を可能にしています。
今後も、品質保持技術の高度化に取り組み、フードロス削減への貢献を継続していきます。

「ミルイージ」
アップサイクル素材「ソヤセル」を食品分野で展開
大豆たん白製品の製造工程では、副産物として「おから」が発生します。不二製油(株)は、おからが持つ特性や有効活用の可能性に着目し、独自の加工技術を用いて、大豆由来の食物繊維素材「ソヤセル」として有効活用しています。
「ソヤセル」は、原料を無駄なく活用することで、環境負荷の低減と資源循環の両立を実現した環境配慮型食品素材です。
食物繊維を豊富に含み、高い保水性や熱・酸・塩に対する安定性といった特長を有しています。これらの特性により、焼き菓子やパンなどにおいて、生地のしっとり感や伸展性の向上、冷凍耐性の付与、噛み切りやすい食感の向上などに寄与し、製菓・製パン用途を中心に幅広い食品分野で活用されています。
さらに、「ソヤセル」は現在確認されている用途にとどまらず、応用展開や新たな価値創出の可能性を秘めた素材です。
不二製油(株)は今後も、アップサイクルの発想を起点とした素材開発を通じて、食品分野における資源循環とフードロス削減の両立に貢献していきます。

「ソヤセル」
アップサイクル素材「ソイビオMA」を汚染土壌対策分野で展開
不二製油(株)は、栄養機能に優れる大豆のタンパク質やペプチドなどの食品素材を長年提供しています。これらの食品加工工程では、タンパク質を分離し、加熱濃縮した後、天然の栄養成分を豊富に含んだ大豆ホエイが副生されます。不二製油(株)では、この副生物である大豆ホエイをアップサイクルした、資源循環型バイオレメディエーション※用浄化促進剤「ソイビオMA」を上市しています(販売代理店:昭栄薬品(株))。「ソイビオMA」は汚染物質を分解する微生物の栄養源として働き、特に揮発性有機化合物(VOCs)や油に汚染された工場敷地内などの土壌のバイオレメディエーションに有効です。さらに、近年の研究では、有害な六価クロムを還元・不溶化することで無毒化する効果があることも明らかになり、従来の用途に加えて新しい市場展開にも期待が高まっています。
- ※ バイオレメディエーション:微生物の作用で環境汚染を修復する技術。

「ソイビオMA」



