労働安全衛生の推進
特に貢献を目指すSDGs
マネジメント情報
テーマと事業活動の関わり
不二製油グループの事業活動は、さまざまな人の関与のもとで成り立ちます。就業形態の多様化、雇用の流動化等が進む中で、従業員の安全を確保することは企業の社会的責任です。労働安全衛生を推進することで、従業員の健康に対して直接的に貢献できると考えています。
考え方
「不二製油グループ憲法」を構成するバリュー(私たちが行動する上で基本となる価値観)の最初に掲げている「安全と品質、環境」の中で、「安全」は当社グループが成長を続けるために最優先すべきテーマです。安全衛生の面では下記の6項目を「安全衛生基本方針」とし、“ルールを守り、経験を伝え、皆で築こう安全職場”をスローガンに、当社従業員および当社事業所内にて働くすべての方々の命を守るとともに労働災害ゼロ達成を目指しています。
安全衛生基本方針
- 命の尊さを安全の基本とする。
- 全員参加を安全の基礎とする。
- 安全管理は職制の責任である。
- 安全は健やかな身体から生まれる。
- 安全な職場つくりをする。
- 危険を知り、危険を防ぐ。
推進体制
労働安全衛生については、最高ESG経営責任者(C“ESG”O)の管掌のもとで取り組みを推進しています。また、ESG経営の重点テーマの一つとして、取締役会の諮問機関であるESG委員会※ において進捗や成果を確認しています。
※ ESG委員会の詳細については、以下のURLをご参照ください。
https://www.fujioilholdings.com/csr/approach/
目標・実績
2019年度目標
- 全グループ会社で作業開始前の危険予知活動(ミーティング)の定着化
- 労働災害発生リスクの高いグループ会社における安全管理活動のさらなる充実化
2019年度実績
既に危険予知活動が定着していた生産拠点を含め、すべての生産拠点で危険予知活動に取り組みました。また、事故リスクの高いグループ会社では危険予知活動の他、事業所内の不安全箇所と不安全状態をリスト化し、改善に取り組みました。具体的には、フジオイル アジア(シンガポール)とその傘下のグループ会社でのヒヤリハット発掘活動、安全キャンペーンなどを実施しました。
なお、2019年度は不二製油グループで100件の労働災害(不休、休業災害)(重篤災害は0件)が発生しました。これらの原因はすべて確認され、再発防止策を講じるとともに全グループ会社にて情報共有し、重要な問題については横展開を進めました。
Next Step
今後も“人間尊重および安全第一を最優先とし、「安全で快適な職場」づくりによって全グループ会社にて災害ゼロを継続”に向け、労働災害を防止する教育・啓発活動の実施などの取り組みを推進します。2020年度は、全グループ会社にて不安全行動撲滅のため、危険予知訓練、指差呼称またはStop Look Think Act活動※ を実施予定です。また、重大な物的事故を防止するため、各グループ会社にて設備の総点検実施などを予定しています。
※ Stop Look Think Act活動:指差呼称の簡略版で、「作業時、行動に移す前に一旦立ち止まり、状況を確認して、考えてから行動に移す」活動。
具体的な取り組み
リスク管理と対策
労働安全衛生リスクは、不二製油グループのリスクマネジメントシステムにおいて、全社重要リスクとして特定されています。不二製油グループ本社に2017年に生産性推進グループを設け、「不二製油グループ憲法」にそって、各グループ会社と連携し、生産拠点ごとに労働安全衛生監査を実施してリスクを評価し、事故の撲滅と管理レベルの向上に取り組んでいます。
労働安全衛生監査について、国内のグループ会社と事業所は毎年監査を計画し、2019年度は生産拠点9軒を地域統括会社である不二製油(株)の安全品質環境監査室安品環監査チームにて実施しました。海外のグループ会社に対しては、前回の監査評価の結果に応じて次回の監査を計画しており、2019年度は生産拠点8軒を不二製油グループ本社の生産性推進グループが労働安全衛生監査を実施しました。監査では、前回監査での是正項目の改善状況の確認、そして新たな労働安全衛生リスクと改善必要項目をリスト化し、それらに対し改善を進めることで、さらなる労働安全衛生レベルの向上を目指しています。
また、労働安全衛生に関するリスク管理と対策を評価、改善するために、労使間の対話を重視しています。例えば、不二製油(株)では、労働協約に基づき、「労働安全衛生委員会」を毎月開催し、労働安全衛生に関する従業員の期待や懸念について協議を行っています。
マネジメント認証の取得
マネジメント認証の取得状況の詳細については、以下のURLをご参照ください。
https://www.fujioilholdings.com/csr/authen/
教育
不二製油グループでは、生産拠点での労働災害の防止を重要な課題と考え、対策に努めています。特に、作業の中で災害につながる不安全行動や不安全状況がないかをチェックし対策を講じるとともに、リスクマネジメントのPDCA推進とヒヤリハット活動などにも取り組んでいます。さらに、グループ全体での従業員の安全に対する意識向上が重要と考え、複数言語で安全リーフレットを作成し各グループ会社に配布しています。各グループ会社では電光掲示板や情報発信掲示板を設置し、日々安全について注意を呼びかけています。また、安全体感教室を設け実際に危険な状態を体感するなど、従業員の安全意識向上への取り組みを進めています。
国内グループ会社では、ヒューマンエラーの防止策として、「声出し 指差」「ひと仕事 ひと指差」をスローガンに「指差呼称推進活動」に取り組み、各拠点において指差呼称が定着してきました。労働安全の基本である“一呼吸置き、確認する”をさらに定着させるため、今後も引き続き取り組んでいきます。
海外グループ会社では、安全衛生委員会※ の設置や安全パトロール※2 の実施、安全伝承活動※3、安全ミーティング※4 などさまざまな安全活動に取り組み、全社一丸となって労働災害防止に取り組んでいます。
※ 安全衛生委員会:会社から指名された委員長のもと、労使の代表者による安全衛生に関する報告、議論を行う委員会。
※2 安全パトロール:不安全箇所、不安全状態の改善、撲滅のため、安全衛生委員会のメンバーによる工場内のパトロール。
※3 安全伝承活動:過去に発生した労働災害とその対策を後世に伝え、従業員の安全意識の向上を図る活動。
※4 安全ミーティング:作業開始前にその日に注意しなければならない安全事項など、作業員に周知するためのミーティング。
安全体感教育の実施
不二製油(株)
Safety Campaign 2020 (Slips, Trips & Falls)
ハラルド(ブラジル) フジ グローバル チョコレート(M)(マレーシア)
フレイアバディ(タイランド)
インセンティブ
「労働安全衛生」の分野を含め、ESGに関して優れた取り組みを行った部門・グループ会社を表彰する仕組みとしてESG経営賞を設けています。
2019年度は、前年度(2018年度)の労働安全への取り組みに対して国内の1事業所が表彰を受けました。