グループ会社一覧

実効性のあるリスクマネジメント

特に貢献を目指すSDGs

  • 12.生産・消費

マネジメント情報

テーマと事業活動の関わり

不二製油グループにおいて、リスクマネジメント は経営そのものだと考えています。
不二製油グループ憲法で掲げている「おいしさと健康で社会に貢献する」、「人のために働く」を実践するためには事業の継続が必須であり、そのためにはリスクマネジメントの取り組みが欠かせないものであると考えています。

※ リスクマネジメント:企業経営に関わるリスクの発生予防に努めるとともに、リスクが実際に発生した時の損失・影響度を最小限にとどめ、経営の目標・計画を達成すること。

考え方

リスクマネジメントを推進することによって、社会からの信頼を獲得する「高信頼性企業の実現」を目指します。経営戦略の実践とともにリスクマネジメントを推進することで、経営の目標・計画を達成し、経営を支えます。

不二製油グループにおけるリスクマネジメントの位置づけ

不二製油グループにおけるリスクマネジメントの位置づけ

推進体制

実効性のあるリスクマネジメントについては、最高ESG経営責任者(C“ESG”O)の管掌のもとで取り組みを推進しています。また、ESG経営の重点テーマの一つとして、取締役会の諮問機関であるESG委員会 において進捗や成果を確認しています。

※ ESG委員会の詳細については、以下のURLをご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/csr/approach/

目標・実績

2019年度目標

  • 各グループ会社の共通リスクに対して注意喚起を強化し、リスクの発生を低減
  • 不二製油(株)のBCP再構築、海外主要グループ会社のBCP構築を推進
  • ブラマー チョコレート カンパニー(米国)へ不二製油グループのリスクマネジメントシステムを導入

2019年度実績

注意喚起によるリスク発生の低減策として、関係部門との連携により注意喚起ツールを作成し、各グループ会社に対して定期的に通達しました。不二製油(株)のBCP再構築としては、リスク低減、早期復旧、生産の代替対策の見直しを行いました。また、海外主要グループ会社においてはBCP策定ロードマップを策定しました。新たに不二製油グループに加わったブラマー チョコレート カンパニー(米国)については、リスクマネジメント委員会を設置し、当社グループのリスクマネジメントのPDCA活動を開始しました。

Next Step

今後も「リスクに強く社会からの信頼を獲得する高信頼性企業の実現」に向け、不二製油グループの実効性のあるリスクマネジメントに取り組んでまいります。2020年度は全社リスクマネジメント、TCFD対応、主要グループ会社におけるBCP構築を推進するために、全社重要リスクのPDCA管理、TCFDに基づくシナリオ分析などに取り組みます。

具体的な取り組み

各グループ会社におけるリスクマネジメントの手法

PDCA

不二製油グループでは地域統括会社、各グループ会社に対して、それぞれの役割を明確にし、各グループ会社にリスクマネジメント委員会を設置しています。このリスクマネジメント委員会が主体となって、「リスクの洗い出しと重要リスクの選定⇒リスク対策実施⇒チェック⇒次年度計画のレベルアップ」のPDCAを1年ごとに回し、不二製油グループ本社、地域統括会社、各グループ会社間で連携を取りながら、リスクマネジメントを推進しています。
緊急時においては、平時のリスクマネジメント委員会を母体に 「緊急対策本部」を立ち上げ、グループとして迅速かつ適切に対応できるシステムを構築しています。

不二製油グループのリスクマネジメント

不二製油グループのリスクマネジメント

リスクアセスメント手法

各グループ会社のリスクマネジメント委員会が主体となり、自社のリスクを可能な限り洗い出し、リスクマップ(縦軸:自社への損失・影響度、横軸:発生可能性)にマッピングすることで評価します。評価の結果、自社にとって損失・影響度が大きいリスクを「重要リスク」として特定し、すべての「重要リスク」に対して対応方法を決定し、リスク低減を図ります。このプロセスにより、自社が優先的に管理すべきリスクを明確にしたリスク管理を行い、リスクの発生予防、リスク発生時の損失最小化、事業継続を図っています。

全社重要リスクの特定

2019年度から経営陣が認識するリスク、マテリアリティマップ、各グループ会社のリスクマップ等の情報ソースから全社重要リスク を特定する仕組みを構築し、運用を開始しました。

※ 特定した全社重要リスクの詳細については、以下のURLをご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/pdf/ir/library/negotiable/92th_4.pdf

気候変動リスクと機会

グループ全体の経営戦略の策定機能を担っている不二製油グループ本社が、気候変動に関連するリスクと機会を管理しています。CSR、リスクマネジメント、環境等のさまざまな部門が専門の観点から、業界団体・公開情報・ステークホルダーとの対話などを通じて気候変動に関する情報収集を行い、戦略立案に活かしています。気候変動に関する戦略は、取締役会諮問機関であるESG委員会の中で報告され、取締役会に具申されます。また、気候変動が要因となるリスクに関しては、不二製油グループ全体のリスクマネジメントシステムにて管理しています。
2019年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明し、2019年度にTCFDが提言する気候変動のシナリオ分析を実施しました。
分析の結果、平均気温が4℃上昇した場合、自然災害による自社の操業停止や一部主要原料の調達に大きな影響を与える可能性があることを認識しました。この気候変動リスクへの対応として、省エネ活動、再エネ活用等、これまでグループ全体で取り組んできたCO2排出量削減をさらに推進し、脱炭素社会の実現に向け貢献してまいります。他方、脱炭素社会においては不二製油グループが強みを持つPlant Based Food(植物性食品)の市場拡大が見込まれており、気候変動機会として認識しました。不二製油グループは、2050年からのバックキャストで、植物性食品素材によって社会課題を解決する「Plant Based Food Solutions」(PBFS)のコンセプトのもと事業を展開しています。乳・肉といった食資源不足が懸念される将来においても、おいしさを保ち健康に資する植物性食品素材を提供してまいります。今後はシナリオ分析のグローバル展開、財務的な影響の把握等を進め、事業戦略へ反映していく予定です。

気候変動関連のリスク・機会

※ リスク・機会の発生見込時期欄: 「短期:2025年までに発生する」、「中期:2025年以降~2030年までに発生する」、「長期:2030年以降~2050年までに発生する」を表します。

※2 該当シナリオ欄: 内容欄に記載したリスク・機会が特に顕著に現れるシナリオを、○印で表しています。

スクロール

項目 内容 発生見込時期 該当シナリオ※2
2℃ 4℃
リスク 移行リスク 政策・法規制 環境規制対応コストの増加 CO2排出規制強化によるカーボンフットプリント制度、炭素税の導入、排出枠の購入費用や省エネ・再生可能エネルギー対応への設備投資費用等による生産関連コストの増加、配送車輌数の制限、炭素税の燃料への影響等による物流関連コストの増加、が見込まれ、利益減となるリスクがあります。 中期
技術 研究開発コストの増加 環境負荷を軽減するための新原材料探索、新食品素材・アプリケーションの研究開発を強化するためにコストが増加し、利益減となるリスクがあります。 長期
市場 サステナビリティ重視の消費者ニーズ・製品需要への対応不足 サステナビリティを重視するグローバルな消費者ニーズ、製品需要への対応が遅れたり、対応が十分でない場合、競合他社にシェアを奪われる等により売上が計画通りに達成できないリスクがあります。 中期
評判 環境への対応不足 CO2排出等の環境対応不足、サプライヤーによる森林破壊等への間接的加担等により当社グループが社会批判を受けた場合、評判低下により主要顧客を喪失し売上が減少するリスクがあります。 短期
物理的リスク 急性 操業停止・サプライチェーンの寸断 自然災害の威力増加、海水面上昇に伴う高潮、台風、洪水被害等の増加により自社工場およびサプライヤーの操業停止、物流網の寸断、倉庫被害等により欠品が発生し売上が減少する、またBCP対策費用、保険料等のコストが増加し、利益減となるリスクがあります。 中期
慢性 一部主要原料の調達困難 平均気温上昇による耕地面積の減少、異常気象、病気や害虫の増加等により、一部主要原料の収穫量が大幅に減少し、調達が困難となるリスクがあります。 長期
生産・物流関連コストの増加 平均気温が上昇することで、労働安全衛生対応、冷却設備能力、生産効率の低下、製品の品質不良等の生産関連コストが増加、また倉庫、配送車輌の温度調節設備等の物流関連コストが増加し、利益減となるリスクがあります。 中期
機会 資源効率 生産・物流関連コストの低減 省エネ活動により設備稼働コストが低減し、共同配送、モーダルシフト等の推進により効率配送が可能となり物流コストが低減する機会が見込まれます。 中期
エネルギー源 再生可能エネルギーの活用によるCO2およびコストの削減 太陽光パネルの導入、グリーン電力証書の購入等の推進によりCO2削減とコスト削減に寄与しています。 短期
製品・サービス 耐熱性食品・非常食・高栄養食製品の需要増加 平均気温上昇、自然災害の威力増加等により、耐熱性のある食品、非常食、熱中症対応食等、当社の抗酸化性、耐熱性、大豆加工等の技術を活用できるロングライフ・高栄養食製品の需要が拡大し、売上が増加する機会が見込まれます。 短期
気温上昇による製品の需要増加 平均気温上昇により、ビール系飲料、飲料、冷菓、冷蔵の麺類等の需要が増加し、それらの原料として使用される当社製品の売上が増加する機会が見込まれます。 中期
市場 PBF市場の拡大 環境意識の高まり、エシカル消費の増加等によりPBF 製品の需要増加、PBF市場の拡大により、当社が得意とする代替技術・ハイブリッド技術のさらなる活用範囲が広がり売上が増加する機会が見込まれます。

※ PBF(Plant Based Food:植物性食品)

短期
レジリエンス サステナビリティに適合する最適な事業ポートフォリオの構築による企業価値向上 省エネ、再生可能エネルギーの活用等を推進することで、環境負荷を軽減し、社会が求めるサステナビリティに適合する最適な事業ポートフォリオの構築が可能となり、社会の信頼を獲得し、企業価値が向上する機会が見込まれます。 中期
強固なBCPの構築による企業価値向上 自然災害への備えとして強固なBCPの構築により、顧客需要を満たし強い信頼関係を構築することが可能となり、社会の信頼を獲得し、企業価値が向上する機会が見込まれます。 短期

BCP

不二製油グループが「おいしさと健康で社会に貢献する」、「人のために働く」を実践するためには事業の継続が前提条件であり、BCPは欠かせないものです。従業員の安全確保および事業資産の損害を最小限にとどめ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするため、以下のBCP基本方針のもとにBCPを推進していきます。具体的には、自然災害、大規模事故、感染症の蔓延などを想定した事業継続計画(BCP)の見直しや、自然災害発生時の情報システムの継続性確保(ICT-BCP)などに取り組んでいます。

BCP基本方針

  • 従業員・来客の人命を最優先する。
  • 二次災害を防止し、地域に迷惑をかけない。
  • 企業としての供給責任を果たす。

教育・インセンティブ

教育・啓発活動

各グループ会社への定期的な訪問・テレビ会議などにより、リスクマネジメントに関する教育・啓発活動を実施し、各グループ会社におけるリスクマネジメントのPDCA活動の定着化と質の向上を図っています。また、新任の海外赴任者を対象とした海外赴任前研修において、リスクマネジメントの基礎、不二製油グループのリスクマネジメントシステムについて教育を行っています。

インセンティブ

「リスクマネジメント」の分野を含め、ESGに関して優れた取り組みを行った部門・グループ会社を表彰する仕組みとしてESG経営賞を設けています。

情報セキュリティマネジメント

特に貢献を目指すSDGs

  • 12.生産・消費

マネジメント情報

テーマと事業活動の関わり

不二製油グループが事業活動を通して社会に貢献していくための基盤としてリスクマネジメントが重要であり、デジタルデータの価値が向上する昨今ではリスクマネジメントの一つのテーマとして、情報セキュリティマネジメントが期待されます。また、情報セキュリティマネジメントは、自社の経営情報のみならず、お客様や従業員などのデータ保護を徹底するという側面からも重要です。

考え方

不二製油グループでは、情報システムを取り巻くさまざまな脅威に対し、情報資産の機密性・完全性・可用性を確保・維持するためにセキュリティレベルの向上に取り組んでいます。当社グループの方針として、情報管理規程および情報セキュリティ規程を策定し、規程の周知徹底に向けた従業員教育を継続して行っています。技術的には、外部からの不正アクセスを防御する仕組みやコンピュータウイルスを防御する仕組みなど、多層的な対策を講じています。今後も、情報セキュリティレベルの検証・確認・向上を継続していきます。

推進体制

実効性のあるリスクマネジメントについては、最高財務責任者(CFO)の管掌のもとで取り組みを推進しています。同管掌役員のもと、情報管理統括責任者およびCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置しています。CSIRTとして各グループ会社に情報管理責任者および情報セキュリティ管理者を指名するとともに、外部の専門家の助言を得ながら、計画的に全グループ会社の情報セキュリティ水準向上を図っています。
また、ESG経営の重点テーマの一つとして、取締役会の諮問機関であるESG委員会 において進捗や成果を確認しています。

※ ESG委員会の詳細については、以下のURLをご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/csr/approach/

目標・実績

2019年度目標

  • 情報セキュリティマネジメント成熟モデルのCOBIT レベル3の達成

※ COBIT:ITガバナンスの成熟度を測るフレームワークで、0~5段階で評価。5が最も成熟しているレベル(Optimizing)。2019年4月時点ではレベル1~2。

2019年度実績

2019年度は主にランサムウェア 感染対策をテーマとして施策を実行し、上記ガバナンスモデルの目標を達成しています。同施策を実行してから、ランサムウェアによる被害は発生していません。 一部、中国のグループ会社においては新型コロナウィルス(COVID-19)等の影響により未完の施策が存在し、状況が沈静化次第、施策実行の再開を予定しています。

※ ランサムウェア:感染したPCやファイルを使用不能とし、PCやファイルを使用するための「身代金」を要求する不正プログラム。

Next Step

ICTによるプロセス改革と企業価値創出、およびグループガバナンスを実現するため安全・安心なICTを不二製油グループに継続的に提供していきます。 不二製油グループ全社を挙げて情報セキュリティ活動に取り組むことで、取引先をはじめ社会から信頼される会社になることを目指します。2020年度は2019年度の施策を継続実施するとともに、情報漏洩対策等の新たなテーマにて施策を実行し、COBITレベル4への到達を目指します。 また国内・海外グループ会社の従業員を対象とし、情報セキュリティ意識向上のためのトレーニングプログラムを継続実施してまいります。