コミュニティとの共生
特に貢献を目指すSDGs
マネジメント情報
テーマと事業活動の関わり
不二製油グループは世界15カ国37社の主要拠点を有しています。食文化は地域によって異なる中で、食品素材メーカーという特性上、工場の操業や製品の販売などの事業活動を、地域社会に根ざして行っており、コミュニティとの共生は事業の基本となる活動です。また、社会貢献活動の推進は、従業員の働き甲斐向上やサステナビリティへの意識向上にもつながるものと認識しています。
考え方
企業は社会の一員であるという認識のもと、社会貢献活動や社会との対話を通して、地域社会の発展に貢献していきたいと考えています。不二製油グループ憲法の「プリンシプル=私たちの行動原則」にて地域に根差した企業活動を行い、積極的に社会に貢献することを表明しています。地域社会の一員として、事業所のある地域や事業内容に関係する社会貢献活動を行っています。
推進体制
社会貢献活動については、それぞれの操業国・地域との関わりのもとで不二製油グループの各社が推進しています。グループ、あるいは地域横断的な社会貢献活動については、最高ESG経営責任者(C“ESG”O)の管掌のもと不二製油グループ本社のESG経営グループCSRチームが主導しています。
具体的な取り組み
食育プロジェクト
不二製油グループでは、次世代を担う子どもたちに「食の大切さと大豆のチカラ」を伝えるため、2014年度から「食育プロジェクト」を特定非営利活動法人「放課後NPOアフタースクール」と協働して実施しています。公募制によって当社の社員が「社員先生」を務め、小学校で出前授業を行います。
2019年度は、「大豆おやつ(豆乳ココアプリン)づくり」と「大豆カードゲーム」の2種類の出前授業を計24回実施し、約600名の小学生に、人の健康によく、世界の食糧不足を救う“大豆のチカラ“について学んでいただきました。本格的にプロジェクトを開始した2015年度以降、累計で2,739名の子どもたちが食育プロジェクトに参画しています。

- <授業を受けた子どもたちの声>
-
- 今日は色々教えてくれてありがとうございました。とても勉強になってこれから今日のことを思い出して水や食べ物を大切にしたいと思いました。
- 地球のためにすききらいしないのと、大きくなったら食べ物の仕事をしたいです。
- にいちゃんが牛乳と卵とカニとエビアレルギーなので、豆乳を使ったおいしいレシピをありがとうございました。
- みんなと協力して作ったらおいしくて、それにみんなといっしょに食べたらさらにおいしかったです。
SDGs for Schoolへの協賛
Think The Earth(NPO)が中学生・高校生に向けてSDGsの理解普及を図るため行っている「SDGs for School」※ は、持続可能な社会実現について学ぶプロジェクトです。この出前授業で、不二製油グループは教材用のチョコレート2種類(パーム油使用のもの、パーム油不使用のもの)を提供しています。2019年度は、1,396名の受講者に、チョコレートを通して身近な食とSDGsの関係や、持続可能なパーム油の重要性を考えていただきました。
- <授業を受けた高校生の声(一部抜粋)>
-
- ビジネスと環境が共存することができないのかな、と思った。
- 手遅れになる前に行動することが大切だと実感した。一人ひとりが協力することで大きな力となり、世界は必ず変えることができる。
- 発展途上国の人々が教育を受けられるようにすることも、現在も破壊が続く熱帯雨林の保護も、どちらも捨ててはいけない課題です。今後はSDGsにつながる問題を国が協力すればいいことではなく、自分たちにも関わる問題として受け止め、もし機会があればSDGsに関係する活動に参加しようかと思います。
※ 「SDGs for School」の詳細については、以下のURLをご参照ください。
http://www.thinktheearth.net/sdgs/
阪南の森プロジェクト
不二製油(株)では、2018年3月から大阪府の泉佐野丘陵緑地の公園づくりに社員がボランティアで参加しています。現地では地元ボランティア、大阪府、企業の3者が連携して、森づくりや竹林管理などに携わっており、月一回、土曜日に公園緑地を育てる活動を展開しています。
泉佐野丘陵緑地は大阪府が直営する公園で、公園というモノづくりから公園で出会うコトづくりを目標にいろいろなプログラムへの参加や活動により公園づくりを継続しています。竹を間伐し、園路や階段などを手作りで行い、楽しく公園づくりを行っています。
作業の様子 プロジェクトにより整備した園路
不二たん白質研究振興財団
大豆たん白に関する学術研究振興を支援する目的で、1979年に「大豆たん白質栄養研究会」を発足させ、研究者の研究活動への助成を行ってきました。1997年に文部省(当時、現文部科学省)所管の財団法人「不二たん白質研究振興財団」を設立して、この活動を財団として法人化し、その後2012年には内閣府所管の公益財団法人として活動の継承と発展に努めてきました。2019年度には研究会の発足から40年の節目の年を迎え、研究助成件数は累計1,100件を越えています。
また財団には研究助成活動に並ぶ、もう一つの柱として公益広報活動があります。その活動の一環として社会人を聴講者に迎えた無料の公開講演会を毎年開催しています。2019年度も開催を予定していましたが、10月12日開催予定が東日本台風(台風19号)で延期となり、延期とした2020年3月21日も新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により、開催を中止しました。なお、講演予定の内容は記録誌として編纂し、聴講予定者に配布の予定です。本公益財団法人は今後とも研究者への助成活動と研究成果の公開活動を通して、社会に貢献をしていきたいと考えます。