シアナッツのサステナブル調達
マネジメント情報
テーマと事業活動の関わり
シアバターは、不二製油グループの植物性油脂事業において、主にココアバター代用脂(CBE:Cocoa Butter Equivalent)として使用される重要な原材料です。ココアバター代用脂は、菓子製造業で幅広く使用されるとともに、ノンパーム用途油脂としても使用されています。シアバターは、シアの木のカーネル※ から抽出されます。シアカーネルは、圧倒的に女性が収穫するため、女性の作物として知られています。シアの木は、サハラ砂漠以南の西アフリカに位置するシアベルトに生育しており、年に1度、5月~6月の間に実を実らせます。
※ シアカーネル:シアの木の果実からとれる種子(シアナッツ)の中にある胚。主な生産地はナイジェリア、マリ、ブルキナファソ、ガーナなど。
考え方
サプライチェーンにおける将来への約束は、当社グループの持続可能性を支える重要な柱であると考えています。シアナッツのサステナブル調達への取り組みにより、シアバターのバリューチェーンにそって、サステナビリティの達成と共通価値の創造を目指しています。
取り組みを進めるにあたり、以下の3点の改善に注力していきます。
- シアの木の緑地保全と森林破壊
- シアバターの社会・環境フットプリント
- 地域における価値創造
また、当社グループのサステナブル調達は、有能かつエンゲージされた人々との強固なプラットフォームを基盤としています。このプラットフォームは広い見識とステークホルダーエンゲージメントを原則としています。
具体的な取り組み
シアの木の緑地保全
収穫されたシアカーネルは、農村の家庭において加熱処理された後、搾油工場で食用のシアバターに加工されています。シアの木などの樹木は、シアカーネルの加熱処理において燃料の薪として使用されています。薪用に木々が伐採されることは、シアの木などの生態系にとって深刻な脅威です。フジ オイル ガーナでは、シアナッツの供給安定化の取り組みに加え、シアの木の植林と周辺の緑地保全に取り組んでいきます。
シアバターの社会・環境フットプリント
農村においては、シアカーネルを加熱処理するための燃料である薪と水は必要不可欠な資源です。フジ オイル ガーナでは、資源消費量の削減、農民の作業負荷の低減、品質向上を目的に、村落と協力しながらシアカーネルの収穫に携わる地域の女性たちに知見を共有しています。
今後は、以下の取り組みを進めていきます。
- 公正な供給網を目的とした、透明性および最短供給ルートの追及を進めます。
- サプライヤー行動規範を用いて、人権、倫理、環境影響に関する啓発を行います。
- 地域コミュニティに対して労働安全衛生、資源の利用、品質向上、作業負荷の低減に関する教育を行うだけでなく協同組合、事業、ビジネス開発に関する研修も行っていきます。
地域経済への貢献
フジ オイル ガーナは、ガーナのテチマンに所在しています。地域のパートナーとの協力により、シアバターの加工の高度化に取り組んでいます。西アフリカで調達されるシアカーネルは、圧搾、抽出を経て搾油されます。フジ オイル ガーナでは、シアの付加価値を向上させるとともに、地域雇用を創出しています。搾油工程の副産物は、グリーンエネルギー源や石鹸原料のみならず食品用途としても使用されています。
外部団体との協業
フジ オイル ガーナは、Global Shea Alliance(GSA)※ とShea Network Ghana※2 に参画しています。これら団体の活動内容は以下の通りです。
- 女性グループに提供できるナッツ保管庫
- 女性のためのビジネス研修
- 労働安全衛生イニシアティブ
- 植林のための用具の開発
- 緑地管理の研修
- 保全に関する試験的なプロジェクト
※ Global Shea Alliance(GSA):団体の詳細については、以下のURLをご参照ください。
※2 Shea Network Ghana:団体の詳細については、以下のURLをご参照ください。