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責任ある大豆、大豆製品の調達方針

制定日:2021年7月1日
改訂日:2025年4月1日

当社は、不二製油グループ憲法で定義している下記ミッションの下、ステークホルダーの皆様と双方向のコミュニケーションを図りながら、事業活動を通じて社会に貢献し、社会と共に持続的に発展していくことを目指します。

<ミッション=私たちの使命・私たちの存在理由>

私たち不二製油グループは、食の素材の可能性を追求し、食の歓びと健康に貢献します。

<ビジョン>

植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。

<バリュー=私たちが行動する上で持つべき価値観>

  • 安全と品質、環境
  • 人のために働く
  • 挑戦と革新
  • スピードとタイミング

当社事業における大豆の位置付けと社会課題

大豆は世界で最も広く使用されている食品原料の一つであり、当社事業にとって重要な原材料です。また近年大豆を原材料とする大豆ミートや豆乳製品などは、増え続ける世界の人口を抱える地球の食課題を解決する食材のひとつとして、また健康志向の拡大・高齢化などによりその重要性は高まってきています。一方、大豆の生産には、森林や生態系の破壊につながる環境問題だけでなく一部の地域では先住民・コミュニティの権利侵害などの人権問題もあると認識しています。

当社調達方針

当社はニーズが高まる大豆製品への期待にこたえると共に大豆の生産現場における社会課題解決の両立を図るうえで、人と環境に配慮したサプライヤーから責任ある方法で生産された大豆や大豆製品を調達いたします。この調達方針は当社の全グループ会社が世界中で購入、取引、加工、販売するあらゆる大豆・大豆製品を取り扱う、全てのサプライヤーに適用されます。

コミットメント

当社が購入している大豆や大豆製品について、以下の基準に従って生産された原料を調達することを約束いたします。

  • 生物多様性の保護と森林破壊ゼロ
  • 先住民、地域住民及び労働者への搾取ゼロ
  • コンプライアンスの順守

私たちの主な目的は、大豆の調達活動により環境破壊や先住民族・コミュニティ・労働者に対する搾取に寄与しない事です。その為、サプライチェーン上におけるトレーサビリティを向上すべくサプライヤーとエンゲージを深めます。コミットメントの実現に向けてサプライヤー及びその他の関連ステークホルダーとの協働を継続してまいります。

RTRS(*1)とのパートナーシップ
不二製油グループは2020年5月に持続可能な大豆のための円卓会議(RTRS)に加盟いたしました。サプライチェーンにおける持続可能な事業運営を確保する為にRTRSと協力を進めています。
RTRSは持続可能な大豆に関する重要なパートナーとして位置づけます。また、RTRSだけでなく他のステークホルダーとも協力し、認証取得や具体的な行動において持続可能な大豆の改善に取組み、農家を支援していきます。

KPIと手順

以下の目標は当社が使用する大豆原料・製品の多くを占める、丸大豆、脱脂大豆、分離大豆たん白を対象に実施します。

コミットメント達成のためにはまずトレーサビリティの改善が必須と認識しており以下の目標を定めました。

  フェーズ1(2025年) フェーズ2 (2030年)
大豆及び
大豆たん白原料(*2)
第一次集荷場所までのトレーサビリティ確保またはRTRS認証品調達若しくはRTRS認証に準じたその他認証で100%調達 コミュニティレベルまでのトレーサビリティ確保またはRTRS認証品調達若しくはRTRS認証に準じたその他認証で100%調達

ここで示しています「第一次集荷場所」とはエレベータとも呼ばれ、通常生産地域の複数の農家から最初に搬入される場所となります。

現在日本市場においては100% IPハンドリング(*3)が達成出来ており維持していきます。
海外市場においては第一次集荷場所までのトレーサビリティの確保、またはRTRS認証品の調達若しくはRTRS認証に準じたその他認証での(社内で十分精査いたします) 調達を行い、2025年までに100%達成する事を目標にします。トレーサビリティについては地域ごとの進捗に違いがありますが、調達に潜んでいるリスクをより具体的に把握しながら、改善を進めていきます。また2025年以降はさらに上流に位置するコミュニティレベルまで踏み込んだ追跡を進めてまいります。
大豆油・大豆レシチンについては、サプライヤーと協働して原産国や原産地域の確認に努めるとともに、大豆及び大豆たん白原料での先行的取り組みにより得られた知見も活用しながら、今後もトレーサブルな原料調達に取り組んで参ります。

今後はトレーサビリティを向上させる過程でサプライヤーとのエンゲージメントを行います。そこではHCV(*4)やHCSA(*5)の手法に基づいた追跡を進めます。また、農業生産工程管理(GAP=Good Agriculture Practices)の考え方に基づいた評価も必要要件として組み入れてまいります。

私たちはこれらの行動を通じて、持続可能な大豆調達を推し進めることで人権や環境の改善のために努力していきたいと考えております。

  1. RTRS はRound Table on Responsible Soy (責任ある大豆に関する円卓会議)の略。
    https://responsiblesoy.org/
  2. 丸大豆・脱脂大豆・分離大豆たん白。
  3. IPハンドリングとは分別生産流通管理の事で、種子の選定から生産・流通・製造に至るまで、各段階で分別管理を行うこと。
  4. HCV High Conservation Valueの略。国、地域、世界レベルで顕著な意義を持つ生物学的、生態学的、社会的、文化的価値、または地域レベルで極めて重要な価値を指す。
    すべての自然生息地には、希少種や固有種の存在、生態系サービスの提供、聖地、地域住民が収穫する資源など、固有の保全価値がある。
    https://hcvnetwork.org/
  5. HCSA High Carbon Stock Approachの略。高炭素貯留アプローチ。森林地域を保護するため、低炭素の劣化地と区別する科学的アプローチ。地域コミュニティの地権と暮らしを尊重する。
    http://highcarbonstock.org/