アイスクリーム用のチョコレート~チョコレートとアイスクリームのおいしい秘密の関係~
人々を魅了するチョコレートのおいしさ
チョコレートは主にカカオマス、ココア、ココアバター、粉乳、砂糖などの原料をもとにつくられます。古くから人々に愛されているチョコレートは、カカオの風味はもちろんのこと、食べる時のパリッとした食感や、口の中で溶けた時のおいしさも現在まで人々を魅了している理由の一つです。
口どけの重要性
チョコレートが口の中で溶けるのは、チョコレートの融点が人の体温に近い30~32℃付近だからです。口内で体温に触れることで、ゆっくりと溶けるのです。
これらのチョコレートを、アイスクリームと一緒に食べるとどうなるでしょうか?アイスクリームを食べ、その直後にチョコレートを食べると、口の中でチョコレートがなかなか溶けず、まるでロウを食べているような感覚となります。この原因はアイスクリームが口中の温度に影響を与えることにあります。アイスクリームを食べると口の中が冷たくなります。口の中の温度が下がると、チョコレートを溶かすだけの温度を与えられないため、口どけが悪くなるのです。このため、普通のチョコレートをアイスクリームと合わせても、チョコレートの口どけが悪くなってしまいます。
最適な口どけの実現
アイスクリームに合ったチョコレートを開発したい。不二製油は、チョコレートが溶ける・固まるのを左右する油脂の融点に着目しました。通常、チョコレートの融解は、チョコレート中の油脂であるココアバターが溶ける特性に依存します。私たちは、ココアバターに融点の異なる植物油脂を組み合わせることにより、チョコレートの融点を変化させることができました。
アイスクリーム用のチョコレートの場合、ココアバターの融点を下げて、冷たくなった口中の温度でも溶けるようにする必要があります。植物油脂のスペシャリストである不二製油は様々な特性を持つ植物油脂を組み合わせ、融点を調整することにより、アイスクリームと一緒に食べるチョコレートのために最適な口どけを可能にしました。
課題
- アイスクリームにチョコレートを使うと、チョコレートの口溶けが悪い
解決
- 口の中の温度に合わせた最適な融点を持つチョコレートを開発
- アイスクリームと共に溶ける最適な口溶けを実現
日頃、何気なく食べているなめらかにとろけるチョココーティングのアイスクリームやパリパリおいしいチョコレートチップが入ったアイスクリームには、不二製油の技術が詰まっています。
食の世界を今よりも、おいしく―不二製油の研究開発は追求し続けます。