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大豆ペプチドの美容効果

皮膚のはりと保湿に対する大豆ペプチドの効果

 美容に関する大豆ペプチドの研究として、紫外線照射マウスの皮膚に対する効果が報告されています 1)。紫外線照射と試験食投与を25日間繰り返し、試験期間中の経表皮水分損失量(TEWL)、角質層の水分量と皮膚粘弾性の変化が確認されています(図1-3)。試験食には、水、20%大豆ペプチド水溶液と20%コラーゲンペプチド水溶液が用いられており、両ペプチド投与により、各々改善効果が示されました。特に、TEWLと皮膚粘弾性においては、大豆ペプチド投与により顕著な改善がみられ、図4の試験終了時の皮膚形態写真からも紫外線により皮膚ダメージが改善していることが観察されました。ヒト真皮繊維芽細胞の試験系にて、大豆ペプチドが真皮に多いⅠ型コラーゲンの産生を促すことが報告されていることから、コラーゲン産生能の向上が皮膚粘弾性の改善要因として考えられます 2)。また、大豆ペプチドから抗酸化能のある配列のペプチドが見出され、さらに大豆ペプチドと非アミノ酸性の抗酸化剤の併用による抗酸化能の相乗効果についても確認されていることから、抗酸化能により紫外線・酸化等からの肌ダメージの緩和も大豆ペプチド美容効果の要因の一つと考えられます 3)

図1 角質水分量の変化

図1 角質水分量の変化

参考文献1より抜粋。
Normal:紫外線無照射、Control:水投与(紫外線照射)、SP:大豆ペプチド摂取(紫外線照射)、CP:コラーゲンペプチド摂取(紫外線照射)
*P <0.01

図2 経表皮水分損失量(TEWL)の変化

図2 経表皮水分損失量(TEWL)の変化

参考文献1より抜粋。
Normal:紫外線無照射、Control:水投与(紫外線照射)、SP:大豆ペプチド摂取(紫外線照射)、CP:コラーゲンペプチド摂取(紫外線照射)
*P <0.05、**P <0.01

図3 皮膚粘弾性の変化

図3 皮膚粘弾性の変化

参考文献1より抜粋。
Normal:紫外線無照射、Control:水投与(紫外線照射)、SP:大豆ペプチド摂取(紫外線照射)、CP:コラーゲンペプチド摂取(紫外線照射)
R7は皮膚粘弾性指標
*P <0.05

図4 大豆ペプチド経口投与後の皮膚形態(25日目)

図4 大豆ペプチド経口投与後の皮膚形態(25日目)

参考文献1より抜粋。
ヘマトキシリン・エオジン染色
紫の点線は表皮と真皮の境を示す。
Normal:紫外線無照射、Control:水投与(紫外線照射)、SP:大豆ペプチド摂取(紫外線照射)、CP:コラーゲンペプチド摂取(紫外線照射)

大豆ペプチドとコラーゲンペプチドの併用効果

 美容用途では、ペプチド素材としてすでにコラーゲンペプチドが広く認知され、多くの食品に利用されています。コラーゲンペプチドの場合、摂取後に末梢血に移行するジペプチドが皮膚の繊維芽細胞の増殖を促進させることが報告されています 4)。これは、コラーゲンの組成ならではの作用と考えられます。しかし、コラーゲンの構成アミノ酸のほとんどは非必須アミノ酸であり、栄養学的には良質ではありません。一方、大豆ペプチドの場合、必須アミノ酸をバランス良く含有していることにより、栄養学的には優れています。この特徴の異なる2種類のペプチドを健常成人女性に食べさせた場合、大豆ペプチドとコラーゲンペプチドの併用で図5、6に示す通り、肌弾性とTEWLの改善効果が確認されました 5)。一方、コラーゲンペプチド単独では統計学的な有意差に至らない結果に留まりました。

図5 被験品摂取前後の肌弾性力変化

図5 被験品摂取前後の肌弾性力変化

参考文献5より抜粋。
R7は皮膚粘弾性指標。

図6 被験品摂取前後の経表皮水分損失量変化

図6 被験品摂取前後の経表皮水分損失量変化

参考文献5より抜粋。

参考文献

  • Tokudome Y., Kage M., Hashimoto F.: Influence of oral administration of soybean peptide on water content of the stratum corneum, transepidermal water loss and skin viscoelasticity. J. Nutr. Food Sci. 2: 137. Doi: 10.4172/2155-9600.1000137 (2012).

  • Tokudome Y., Nakamura K., Kage M., Todo H., Sugibayashi K., Hashimoto F.: Effects of soybean peptide and collagen peptide on collagen synthesis in normal human dermal fibroblasts. Int. J. Food Sci. Nutr. 63, 689-695 (2012).

  • Muramoto K., Chem H., Yamauchi F.: Antioxidant activity of designed peptides based on the antioxidative peptide isolated from digests of a soybean protein. Rep. Soy Protein Res. Com. 17, 23-28 (1996).

  • Shigemura Y., Iwai K., Morimatsu F., Iwamoto T., Mori T., Oda C., Taira T., Park E. Y., Nakamura Y., Sato K.: Effect of Prolyl-hydroxyproline (Pro-Hyp), a food-derived collagen peptide in human blood, on growth of fibroblasts from mouse skin. J. Agric. Food Chem. 57, 444-449 (2009).

  • Matsushita A., Kameda N., Seike M.: Effects of simultaneous intake of soy peptide and collagen peptide on the skin function of healthy adult women. J. Home Eco. Jpn. 63, 35-42 (2012).