3. 健康ダイエットに最適な大豆ペプチド
シェイプアップの考え方
体重の増減は摂取カロリーと消費カロリーのバランスで決定されます。カロリーの摂取は飲食により行われますが、カロリーの消費は「基礎代謝」「運動等による消費」「食事誘導性熱代謝」 の3種に分けられます。わかりやすく図1(ダイエットシーソー)にすると次のようになります。一般人の場合はこの「基礎代謝」が一番多くなります。「基礎代謝」とは、人の体温・呼吸・内臓の動きなど生命維持に必要なエネルギー量のことで、生後から16歳頃まで基礎代謝量は増加し、その後、年齢とともに減少していきます。
図1 ダイエットシーソー
摂取カロリーを減らす危険ダイエット
摂取カロリーを極端に減らすダイエット法が逆にリバウンド現象を招き危険なことは、今ではダイエットの常識になっています。無理なダイエットを行うと、体が非常事態と感知し、少量しか入ってこない摂取カロリーを必死で貯め込もうとします。これが習慣化すると、食べたものが直接エネルギーとして消費されにくくなるばかりでなく、標準のカロリーに戻した時でも以前より余計に脂肪がついてしまうことになります。私たちの体は食べ物からのエネルギー補給が切れると、まず筋肉に蓄えられている糖(グリコーゲン)を燃焼し、次に脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪を分解・燃焼してエネルギー利用します。摂取カロリーを減らし続けると、初めに筋肉と水が減り、次に脂肪、骨、皮膚等の組織に蓄えられたたん白質やミネラル分も同時に減ります。このようなダイエットを継続していると、脂肪が貯まりやすく、筋肉がどんどん減っていく体になってしまいます。
筋肉が減ると基礎代謝が減る
基礎代謝の約40%は筋肉により消費されるので、筋肉が減ると必然と基礎代謝も減ることになります。これは先ほどの図のダイエットシーソーを見てもわかるようにダイエットにとって逆効果です。過激な減食、絶食、偏食によるダイエットは、結果的に脂肪を貯め込み、筋肉を減らし、基礎代謝を減らしてしまう体を作ってしまうことになります。無理なダイエットを続けていると知らぬ間に、消費エネルギーを減らしてしまい、逆に肥りやい体質となり、ひどい場合には延々とリバウンドし続けるという最悪な事態に陥ることもあります。
基礎代謝を高める大豆ペプチド
日頃から適度に運動したり、体脂肪の消費に効果的な有酸素運動を続けることはダイエットにとって大切なことですが、一般の人にとってカロリー消費の中で「基礎代謝」が多くを占めることは先に述べました。では、「基礎代謝」を健康的に維持し高める方法はないのでしょうか。図2は、低エネルギー食に大豆ペプチドを加えたものと、加えていないものとの比較です。大豆ペプチドを加えていない食事の方は基礎代謝が低下しますが、加えた食事を摂ると、基礎代謝が回復しているのがわかります 1)。また、他の蛋白源と比較したところ、食後3時間のエネルギー消費量は大豆ペプチドが最も高くなりました(図3) 2)。大豆ペプチドは基礎代謝や食事後のカロリー消費を増加させ、体脂肪の燃焼を促進させるので、ダイエットに最適な素材といえるのです。
図2 基礎代謝の低下に対する大豆ペプチド補充の効果
**スタート時に対して有意差あり(P < 0.01)
図3 食後のエネルギー消費量の比較
食後3時間のエネルギー消費増加量の累積値
参考文献
Komatsu T., Komatsu K., Shiraishi M., Nagata M., Yamagishi M.: Effects of diet containing soybean peptide or lactalbumin on basal energy expenditure of obese children reducing body weight and on thermogenesis after meal. Nutr. Sci. Soy Protein, Jpn. 12, 80-84 (1991).
Komatsu T., Komatsu K., Yamagishi M.: Effects of soy-peptide consumption on diet indused thermogenesis. Nutr. Sci. Soy Protein, Jpn. 13, 53-58 (1992).