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1. 大豆たん白の健康知識 基本編

今、注目を浴びている大豆たん白とは何か

図1 米国産乾大豆成分表

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 (注1)から引用して作図。

 大豆は昔から日本人にとって馴染みの深い食品です。大豆そのものを煮豆などの副菜として食べるだけでなく、豆腐、油揚げ、納豆などは食卓に欠かせない大豆加工食品ですし、日本の味を構成するしょうゆ、味噌といった調味料も大豆からつくられています。

 大豆はグリシンマックス(Glycine max)と呼ばれる豆科植物の種子です。大豆には重要な栄養分が凝縮されており、卵や牛乳と同じくらいアミノ酸バランスがよい良質なタンパク質が33.0%含まれています(図1)。このほか良質な脂質(リノール酸やレシチンなど)が21.7%、ビタミン類(ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンKなど)やミネラル類(カルシウム、カリウム、鉄など)も豊富です(注1)。さらに食物繊維や、近年注目されているイソフラボンや大豆サポニンといった微量成分も含まれています。

 このように大豆にはさまざまな有効成分が含まれていますが、中でも重要なのが大豆のタンパク質です。タンパク質は英語でプロテイン(Protein)と言います。プロテインはギリシャ語のプロテウス(Proteus=最も大切なもの)からきており、その語源どおりタンパク質は人体に欠かせない三大栄養素の一つです。私たちは日頃の食事でさまざまな種類のタンパク質を摂っていますが、特に大豆タンパク質に注目が集まっているのは、次のような効果があることがわかってきたからです。

  • 血中コレステロールを正常化させる
  • 心臓病のリスクを低減させる
  • 骨を丈夫にしたり、骨粗しょう症を予防する
  • 更年期障害を軽減させる
  • 肥満予防効果があり、ダイエット効果を高める
  • 腎機能保護の働きがある

 このように大豆タンパク質は、我々の健康を守ってくれる理想的な食品成分なのです。特定保健用食品(トクホ)においては、「コレステロールが高めの方に適する」食品の関与成分として、植物ステロールや大豆タンパク質が知られています。また、大豆からタンパク質だけを抽出してさまざまな機能をもたせた大豆たん白は、ハムやソーセージ、水産練り製品、惣菜、菓子、飲料、健康食品などに利用されています。

(注)