スーパー和食の必須食材、大豆
昭和に入り、日本は戦争の道を歩み始め、食生活に至っては恵まれたものではありませんでした。そして終戦を迎え、日本が復興していく中で、国民が食べていた平均的な食事で、いつの時代が栄養バランスが良かったか、東北大学の研究者らによって発表された報告があります。
1) 1960年当時の一般家庭のメニュー
2) 1975年当時の一般家庭のメニュー
3) 2000年以降の一般家庭のメニュー
を栄養学的に比較し、またマウス実験をしたところ、1975年当時のメニューがベストとされ、「スーパー和食」とも言われています。
1960年当時のメニューはおかずが少なく塩分量が高い傾向にあり、2000年以降のメニューは欧米化が進みすぎ、肉が増え脂質が多い傾向にありました。
それらと比べ、1975年当時は大豆を多く食べ、卵などの良質なたんぱく質をバランスよく摂り、出汁を上手に使い、自然と塩分も抑えられていたとされています。また和食と洋食の多様化が進み、品目を多くとっていたのも良いとされています。
時代背景的には、1975年頃は東京オリンピックや大阪万博を経て洋食の影響が日本の食卓へ入りだし、「ちょっとだけ欧米化した和食」という状況になっていました。それで食材の種類が増え、洋風化する中で逆に和風調味料の新製品(顆粒タイプの和風出汁をはじめ家庭向けの味噌)が多く発売される中、出汁や発酵調味料を使う機会が増え、大豆や卵を使う機会も増えていたのではないかと推測できます。こうみると、日本の食生活は、明治維新、終戦という大きな洋風化の波がありながら、和の要素もバランスよく残していたことがわかります。