大豆のサステナブル調達
特に貢献を目指すSDGs
マネジメント情報
テーマと事業活動の関わり
大豆は、冷帯から熱帯まで幅広い地帯で栽培される植物ですが、大豆の生産地では、農園開拓による森林破壊や、農薬散布による農園地域の土壌汚染などが懸念されています。不二製油グループは、大豆が将来の世界の食糧危機を救うと考え、1957年以降、他社に先駆けて食品素材としての大豆の可能性を追求してきました。当社の大豆加工素材事業においては、脱脂大豆や丸大豆、大豆たん白などの大豆由来の原料を使用しています。また、植物性油脂事業では、重量ベースで数%程度大豆油を使用しています。環境や社会の影響に配慮した大豆調達を推進することは重要なテーマであると認識しています。
考え方
大豆のサステナブル調達を目指し、情報収集および当社としての考え方の整理に取り組みます。
推進体制
大豆のサステナブル調達については、最高経営戦略責任者(CSO)の管掌のもとで取り組みを推進しています。また、ESG経営の重点テーマの一つとして、取締役会の諮問機関であるESG委員会※ において進捗や成果を確認しています。
※ ESG委員会の詳細については、以下のURLをご参照ください。
https://www.fujioilholdings.com/csr/approach/
目標・実績
2019年度目標
- 社会動向の把握と当社の考え方の策定
2019年度実績
Round Table on Responsible Soy(RTRS)やサプライヤーなど、関係機関との面談を行い、ブラジルに関しては、ブラジル植物油協会による大豆モラトリアム宣言など、森林破壊された地域からの大豆を使用しない取り組みなどが行われていることを把握しました。実態調査や現状のサプライチェーン把握に時間を要するため、当社の考え方の策定には至りませんでしたが、その基礎となる情報を収集しました。
Next Step
ステークホルダーとの対話などの取り組みを通して、今後も不二製油グループでの大豆のサステナブル調達に取り組んでまいります。2020年度は大豆のサステナブル調達に関する方針の骨子策定を目指しています。2020年5月にはRound Table on Responsible Soy(RTRS)に会員として加盟しました。方針策定に向け引き続き情報収集を行っていきます。
具体的な取り組み
非遺伝子組み換え大豆の調達
不二製油グループの大豆加工素材事業では、北米産、中国産、日本産の大豆原料のみを調達しており、そのすべてが、非遺伝子組み換え大豆です。北米では、遺伝子組み換え大豆※ と非遺伝子組み換え大豆がともに多く流通しているため、北米産大豆に関しては栽培、輸送および保管において厳しい分別管理を行っています。
大豆の主要な調達先である中国では、遺伝子組み換え大豆の栽培は禁止されていますが、近年は搾油原料として海外産の遺伝子組み換え大豆が中国に輸入されており、年々、非遺伝子組み換えを厳格に分別管理することの重要性が増してきています。中国産大豆の調達についてもグループで連携し、不二製油(株)で得た管理ノウハウを取り入れ、厳しい管理要求に継続的に対応しています。
※ 遺伝子組み換え大豆:安定的に大豆を収穫するために除草剤耐性などの機能を、遺伝子を組み換えることで付与した大豆。