ご挨拶

不二製油株式会社は食品素材を製造、販売する不二製油グループの日本統括会社です。皆さまにとって身近な食品の原材料である食品素材を提供しており、とりわけ植物性油脂や大豆たん白などの植物性原料をもとにした植物性食品素材を製造、販売しています。食品素材は食品の原材料という側面だけでなく、風味や食感、作業性などおいしさや機能を付与するものでもあります。
不二製油グループの中期経営計画Reborn 2024では、基本方針の1つとして「事業基盤の強化」を掲げています。既存事業の効率化を図り成長させるとともに、これまでにない新たな価値をもつ製品の開発を進めています。当社はこの新たな価値を「驚きのおいしさ」と定義しました。おいしさを追求するのはもちろんですが、そこに「驚き」が加わります。
現在、市場には健康や地球環境課題を背景に、多種多様なプラントベースフード(植物性食品)が並ぶようになりました。日々、新商品も登場し、食の選択肢の一つとして認知されるようになってきました。当社は長年プラントベースフードの研究開発を行ってきましたが、このたび動物性食品がもつ満足感を植物性食品素材のちからで実現する技術を開発しました。具体的に申し上げますと、植物性原料のみで、豚骨ラーメンのスープのような濃厚な味わいとコクをもつスープをつくる「だし」を開発することに成功しました。お客様との共創から生まれたこの製品は、各種イベントや展示会でも紹介され、召し上がった方からは驚きの声やご評価をいただいております。これは、当社がもつ油脂の技術とたん白の技術を融合することで生まれた製品です。この植物性の「だし」の技術はラーメンなどの日本が誇る食文化を様々な食習慣を持つ方々が体験できる、新しい価値の創出につながるものと捉えています。私は、当社の技術や発想から、まだまだ食の素材の可能性は広がると確信しています。今後も皆さまに「驚きのおいしさ」を提供する企業として、新たな製品開発に挑戦していきます。
また、パームやカカオ、大豆などの植物性原料を扱う当社にとって、製品原料のサステナビリティ調達は重要課題と認識しています。当社の事業活動は社会環境に与える影響が大きく、責任あるサプライチェーンを構築することは当社の重大な責務です。不二製油グループではサステナビリティ調達の目標を掲げ、当社も積極的に取り組んでいます。原料調達における情報を公開し、食育活動などを通して、広く世の中にお伝えしていきます。
今後も、お客様や地域社会、地球環境に真摯に向き合い、事業を通じた課題解決による新しい価値創造を目指してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
代表取締役社長
大森 達司