不二製油株式会社 代表取締役社長 大森 達司

 明けましておめでとうございます。旧年中は一方ならぬご高配に預かり、心から御礼申し上げます。
 新しい年の始まりに際し、謹んでご挨拶申し上げます。

 旧年中、日本列島は度重なる自然災害や記録的な猛暑に見舞われました。とりわけ、6月に発生した大阪府北部地震では、委託先の倉庫が被災し、製品の出荷が困難な状況が続きました。さらに、9月に発生した台風21号は、近畿地方を中心に多大な被害をもたらし、泉佐野市に本社を構える当社工場や委託先倉庫も被害を受けました。お客様に多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、心からお詫び申し上げます。私自身、地球環境の変化に伴う気候変動を肌身で感じ、自然への畏怖の念に打たれました。この教訓を今後に生かすべく、全社的に地球環境への配慮ならびに平時・緊急時における災害への対策をより一層講じてまいる所存でございます。

 日本で事業を行っていくなかで、「高齢化」「人手不足」の問題から目を背けることはできません。劇変し続けている事業環境の中、お客様に付加価値を提供し続け、事業を通して社会課題を解決することを目指してまいります。一例として、高齢化に対しては平均寿命と健康寿命の乖離の短縮を目指し、安定化DHA/EPAの事業化を進めていきます。「おいしさと健康」を両立させることが使命である当社の技術は、普段の食事から、無理なくDHA/EPAを摂取することを可能にします。また、当社の強みの一つである大豆事業からは、筋力増進につながる大豆たん白や大豆ペプチドの効果も期待できます。人手不足に対しては顧客の省力化を実現する食品素材やメニュー提案を通し、顧客へのソリューションを提供してまいります。

 新たな価値創造の基盤となるのは人材と技術の活用です。近年、研究や販売の組織改革、働き方改革を積極的に進めてまいりましたが、本年もITの活用や制度の見直し・拡充を実行し、さらなる業務の効率化や人材の有効活用を目指します。「変える」ことには大きなエネルギーが必要ですが、変化を前向きに捉えながら、社員がイキイキと働き、組織がより効率的に機能していけるよう取り組んでまいります。

 本年も、お客様から信頼され、選ばれる会社となるべく、全社一丸となって努力する所存でございます。不二製油グループの製品を引き続きご愛顧賜りますよう心からお願い申し上げます。