大好きな実験を重ねてたどりついた
大きな成果に感動
基礎研究

盛川 美和子

生物資源環境科学府
動物資源科学専攻修了
2010年入社

未来創造研究所 油脂チーム。大学では生きた黒毛和牛を相手に生産性を高める研究を行った。当時も今も「考え込むよりやってみる」がモットー。出産後は開発部門から研究部門に移り、家族の協力のもと2男を育てながら、画期的な新技術の確立に大きく貢献している。

※部署名等の記事内容は取材当時のものです

世界にも例がないDHAの
安定化をチームで実現

第一子の出産からの職場復帰した際に現在の部署に異動になり、以来ずっと、DHA・EPAの安定化をテーマとするプロジェクトに取り組んでいます。DHA・EPAは、健康によいとされる多価不飽和脂肪酸のなかでも、「認知能力を高める」などの機能が大きく注目されている成分です。魚の油などに豊富ですが、すぐに酸化して独特の臭気を放つためその用途はカプセルなどに限定され、食品素材には不向きでした。これを、機能を損なうことなく安定化させるという、だれも成功していない難事に挑もうというわけです。うまくいくと、おいしさと健康を両立させる素材として広く食品に応用できますが、その道のりは想像以上に険しいものでした。

油脂の酸化を抑えるには、易溶性の抗酸化物質を添加することが一般的ですが、それをもってしてもDHA・EPAには不十分でした。そこで油に溶けにくい難溶性成分を油に混ぜることにチャレンジしました。非常に数多くの試行錯誤を繰り返しようやく形になりました。チームで絶えずディスカッションを重ねつつ、手分けして、あらゆる可能性にトライ。一つ、また一つと、これまでの「できない」を「できる」に変えていき、ついに目標にたどりついた時には、本当に感動しました。その後、社内の発表会で報告し、成果を認めてもらえ、開発・生産・販売をまきこんだプロジェクトに発展しました。

今は開発部門と連携して、たとえばクリームやチョコに加えた時、どの程度の安定性が必要なのかなど、提案に必要なデータを取るためのテストを行っています。

“好き”を活かし、
新たな扉を開きたい

もともと、デスクワークより実験が好き。「わからないことがあればとにかくやってみよう。失敗も必ず次へのステップになる」と考えています。こんな私にとって現在の環境は理想的です。学会に参加したり文献を読んだりして広く情報を収集できるのはもちろん、不二製油には各分野にすばらしいスペシャリストがいて壁にぶつかった時にまさにほしかった知識・情報を提供してくれます。職場も最近“不二サイエンスイノベーションセンター”として一新され、同一フロアにあらゆる分野の研究者がフリーアドレスで集っていて、文字通り壁のないコミュニケーションが可能です。実験の好きな私はどんどんデータを取り、必要に応じてスペシャリストから意見をもらうことで考察を深め、次の方向を模索します。そんな中で最も難しいと思うのは、事業化を意識したゴール設定です。企業の研究者としては基礎研究といえども最終的に事業につなげなければなりません。それがまた、研究を進める上での大きな励みともなっています。

今後も様々な研究を手がけ、分野にとらわれることなく新規の事業を拓いていくことを夢見ています。たとえば、油脂のメーカーとして、主要な原料であるパームや大豆などを育てることにまで事業を広げられたら本当におもしろいと思います。よりサステナブルな事業を実現できれば、食を通じた社会貢献度も一層高めることができます。そんな飛躍のある夢を思い描けるのも、不二製油に、チャレンジ精神いっぱいの柔軟性に富んだ社風があるからかもしれません。子育てへの支援体制がしっかりしていて、子どもを持つ女性ならではの視点を研究に活かせることも、仕事を楽しむベースとなっています。

ある1日のスケジュール

8:20
出社。
8:30〜10:00
チームミーティング。前日の実験結果を報告し合ったり、進め方を話し合ったりする。
10:00〜12:00
実験に関連した文献を調査。使用する試薬の情報なども収集する。
12:00〜13:00
社員食堂にて昼食。
13:00〜16:00
計画に基づき実験を進める。
16:00〜18:00
データ解析。疑問点の抽出、リストアップなどを終え退社。

PREV

髙野 寛

農学府
応用生命科学専攻修了
2012年入社

NEXT

坂本 裕馬

工学研究科化学工学専攻修了
2014年入社