難しい素材を扱うからこそ実感できる
ものづくりの喜び
製品開発

髙野 寛

農学府
応用生命科学専攻修了
2009年入社

開発部門 乳化・発酵開発室 つくば第一グループ。「BtoBの企業なら市場を動かすこともできる」と不二製油に入社。入社当初からつくば第一グループに所属し、クリーム類の中でも主力となるホイップクリームを担当。ドリンクベースをはじめ調理用クリームも手がける。

※部署名等の記事内容は取材当時のものです

科学的に未解明の領域が多い
クリームを担当 

所属している第一グループは、不二製油が取り扱う製品の中でも主力製品というべきクリームを扱う専門家の集団です。私は、同グループの中で、入社当初からホイップクリームを担当しています。開発部門は、営業担当からの「こんな商品が欲しい」という依頼を受けて、商品のイメージを実現させるためにはどのようなホイップクリームが最適かを考えて開発し、顧客にプレゼンテーションをするための試作品を作ります。そして、提案が採用されたら製造工場の条件に合うように製造プロセスを調整して、安定生産ができるように設計を行っています。

仕事の流れをサラッと言ってしまうと簡単そうに聞こえますが、実はクリーム類は、水の中に油が分散する「水中油型乳化物」という系に分類されるもので、とても複雑な性質を持っています。そのため、さまざまな原料の性質、乳化物中の状態、製造条件や工程でのちょっとしたことが品質に大きく影響します。クリーム類のこの性質は科学的に未解明の部分が多く、商品イメージに合うホイップクリームを開発し、どのようなプロセスで安定生産するかを考える際には開発者の知識と経験とセンスが問われるのです。難しい素材なのですが未解明の領域が多い分、開発者の試作や検討が技術的知見につながることもあり、それは研究者にとっては大きな魅力です。

限られた時間と条件の中で
完成度の高いものを作る

あるとき「こんがり風味のスイーツのようなクリーム系ドリンクが欲しい」という依頼がありました。濃厚なクリーム風味でありながら、ドリンクですからスッキリとしたのど越しが必要です。この相反する2つの要素を組み合わせるための工夫がこの案件のポイントです。試行錯誤の結果、融点の低い油脂を使うことで濃厚ながらも口に入れた瞬間にほどけるように溶ける食感を生み出しました。こんがりとした風味は、香料会社とタッグを組んで、試作を繰り返して実現させました。この商品は大ヒットして、友人がSNSに写真をアップさせたのを見て、「いいね」をクリックしながら「これは僕が担当したんだ」と思っていました。守秘義務があるので、絶対に口外しませんが。

また、商品がパイロット機では上手く製造できても、大規模な製造工場では上手く行かないこともあります。入社当初から2年目くらいまではスケールの違いを理解することが難しく、失敗もしました。今では、このスケールの違いが感覚的に分かるようになり、経験は大切だと実感しています。そんな私の今のテーマは、限られた条件と時間の中で完成度の高いものをつくること。入社当時は、仕事に追いかけられていたような感じでしたが、今は、これまでの知見を最大限に活かして、ものづくりに携われる喜びを噛みしめながら仕事をしている。そんな感じがします。

仕事をする中で、新しいことを思いついたりもしています。塗料や接着剤などもクリームと同じ水中油型乳化物に含まれます。理論的には、塗料や接着剤も、不二製油の工場で製造できるのです。例えば、食べられる塗料と接着剤など、既存メーカーとは異なる性質の塗料や接着剤を開発してみたら、不二製油の新たなジャンルを開拓することも可能なのではと思います。もしも、不二製油の塗料や接着剤で「食べられる家」ができたら面白いと思いませんか?そんな挑戦をしてみたいと、密かに考えています。

ある1日のスケジュール

9:00
出社。
9:00~11:00
営業担当と、近々、プレゼンテーションを控えている新商品の試作品の情報共有をするためのミーティング。技術的な課題の抽出も行う。
11:00~11:30
原料メーカーとの商談。
11:30~12:00
試作準備。試作は一人で行う。
12:00~13:00
昼食。
13:00~17:00
試作品の製作。
17:00~17:40
プレゼン資料作成。
17:40~
帰宅。入社当初は残業も厭わなかったが、限られた時間と条件の中で高い完成度のものづくりを行うのがテーマのため可能な限り定時帰宅。

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程 彦

医歯薬学総合研究科
生体制御科学専攻修了
2012年入社

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外尾 竜太

工学研究科
生命先端工学専攻修了
2011年入社