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水溶性大豆多糖類の食品への利用

 水溶性大豆多糖類は、表1に示す通り、少量添加することで食品の物性を大きく変えることが出来ます。現在は、酸性乳飲料(ドリンクヨーグルト)、乳化香料、米飯類や麺類などの澱粉加工食品、冷凍パンなど様々な食品に利用されています。

表1
水溶性大豆多糖類の機能と主な用途
機  能 用  途
整腸作用
難消化性
食物繊維含有食品
酸性での蛋白質の分散能 酸性乳飲料・酸性冷菓・酸性デザート・耐酸性クリーム
乳化力・乳化安定性 乳化香料・粉末香料・ドレッシング・ホワイトナー・ソース・佃煮の脂肪分散・各種クリーナー
麺類・米飯の結着防止能・老化防止能 乾麺・生麺・各種米飯・各種冷凍食品パン・スポンジ・ワッフル・ドーナツ・餅類・中華まんじゅう
気泡安定化能 メレンゲ菓子・各種界面活性剤
接着・皮膜能 フィルムコーティング剤・可食性フィルム・造粒剤・版面保護剤
無機物質の分散 セメント

乳酸菌飲料への利用

図1
酸性乳飲料の安定剤による効果
酸性乳飲料の安定剤による効果

 乳酸菌飲料は、牛乳の乳酸菌発酵物を原料とする飲料です。通常、牛乳の乳タンパク質はよく水に溶解しています。ところが、乳酸菌発酵によってpHが4.5付近まで低下すると、蛋白質が凝集して沈殿を生じます。いわゆるヨーグルトの状態です。口当たりの良い飲料に仕上げるためには、破砕装置を用いた均質化処理を加えますが、時間が経つと乳タンパク質が再び凝集して上部に「すき」が生じ、飲料の品質が損なわれます。この乳タンパク質の凝集と沈殿を抑え分散させる目的で、ペクチンやカルボキシメチルセルロースといった多糖類が安定剤として広く利用されています。これら多糖類は、もともと粘度の高い多糖類で、得られた乳酸菌飲料もやや重い飲み口に仕上がります。

 水溶性大豆多糖類は、これら多糖類と同様のタンパク質分散の機能を持ちますが、粘度が低い為に、飲料の粘度を増すことなく、軽くて自然な飲み口の乳酸菌飲料に仕上げることが出来ます。水溶性大豆多糖類、及びペクチンを安定剤として調製した乳酸菌飲料の状態を図1に示します。

米飯類や麺類などへの利用

図2
水溶性大豆多糖類のうどんのほぐれ性に与える影響
水溶性大豆多糖類のうどんのほぐれ性に与える影響

 水溶性大豆多糖類を添加して炊きあがった米飯は、①粘りが抑えられてしゃもじ通りが非常に良く、②飯粒が潰れにくく光沢があり、③一昼夜冷蔵保存しても柔らかさが維持されます。これらの効果は、生米に対して水溶性大豆多糖類を0.1%~1.0%添加することで確認できます。日本の米飯は、粘りが強く、ふっくらした食感が好まれるため、食品工場で大量に調理する際には、炊飯釜やおにぎり成形機などへの付着や飯粒の潰れなどの多くの課題がありました。炊飯の際に油を添加する方法もありましたが、添加量が多いと、米飯特有の風味が損なわれてしまいます。水溶性大豆多糖類は、米飯の風味を損なわず、機器への付着や潰れを抑え、食感と保存性を向上させることから、大量調理で作られる米飯用に広く利用されています。

 更に、お弁当コーナーに並んでいる麺類には、予め水溶性大豆多糖類の水溶液を噴霧することにより、麺同士の付着が抑えられ、みずみずしい食感を維持することができます。図2に水溶性大豆多糖類の1%水溶液に茹で上げたうどんを浸し、水切りした後、10℃で24時間保存した後のうどんを示します。水に浸しただけのうどんは、麺同士が付着しているのに対し、水溶性大豆多糖類の水溶液に浸したうどんは、箸で簡単にほぐすことができます。米飯類と同じく、大量調理で作られる麺類用の機能性素材として広く利用されています。