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大豆たん白質の健康知識 心臓病予防編

米国FDAが大豆たん白の健康表示を承認

1日25gの大豆たん白が心臓病のリスクを大幅に下げる

 米国FDA(食品医薬品局)は1993年に「ヘルスクレーム(健康表示)制度」を発足させました。健康表示というのは「これこれの食品、あるいは栄養素を◆◆◆(量)とると、●●●という病気になるリスクを低減できる」などと表示することです。この制度で11番目にその健康表示が認められたのが、「大豆たん白と心臓病」です。
 FDAの健康表示では、申請された食品について個々に審査して承認を与えるのではなく、「大豆たん白」のようなカテゴリーそのものに承認を与えるという方式を採用しているので、とても厳しい審査が行われます。発足から10数年経った現在でも、12件であるのはそのためです(表1)。

表1 FDAが承認済みの健康表示12件

1 カルシウムと骨粗しょう症
2 塩分と高血圧
3 脂質とガン
4 飽和脂肪酸とコレステロールと冠動脈心疾患のリスク
5 食物繊維を含む穀物、果物、野菜とガン
6 食物繊維、特に水溶性の食物繊維を含む果物、野菜、穀物と冠動脈心疾患のリスク
7 果物、野菜とガン
8 葉酸と神経管の先天性異常
9 糖アルコールと虫歯
10 全粒オートミール麦やオオバコ種子穀に含まれるような水溶性の食物繊維と冠動脈心疾患のリスク
11 ステロール/スタノールと冠動脈心疾患のリスク
12 大豆たん白と冠動脈心疾患のリスク

具体的には、1食分に6.25g以上の大豆たん白を含む食品は、次のいずれかの表示ができることになりました。

●「1日あたり25gの大豆たん白を、低飽和脂肪酸・低コレステロール食の一環として摂取することは、心臓病のリスクを低減します。この★★★(製品名)1食分には○○gの大豆たん白が含まれています」
●「1日あたり25gの大豆たん白を含む低飽和脂肪酸・低コレステロールな食事は、心臓病のリスクを低減させることができます。★★★(製品名)1食分には○○gの大豆たん白が含まれています」

 このFDAの健康表示の承認につづいて、米国心臓協会(AHA)栄養委員会は2000年11月、血中コレステロール値を低下させる有効な方法の第一歩は日常の食事だという声明を発表しました。これによると、動物性たん白質の代わりに大豆たん白質を摂取すると、血中コレステロール値が低下し、心臓病の予防・改善に効果的という証拠が増えている、ということです。特にAHAが注目しているのは、大豆食品を常食しているアジアの国民と、動物性たん白食品中心の、いわゆる西欧型食生活を取り入れている国民との、心臓病発病率の相違です。実際、日米の35~74歳の心臓病による死亡者(人口10万人あたり)は、日本男性が201人なのに対して米国男性は401人、日本女性が99人で米国女性は197人となっていますから、確かに食事パターンと生活スタイルの違いがこの病気の発症の差となっている、とAHAは推測しています。
 米国では過去10年間で、一般の人でも豆腐、豆乳、大豆チーズなどの大豆加工食品が身近に手に入るようになってきています。しかし、日本人を始めとするアジア人と比べれば、まだまだその摂取量は多いとはいえません。ただ、FDAの健康表示承認後、大手食品メーカーが大豆食品メーカーを買収したり、大豆食品メーカーと業務提携するなどの活発な動きが見られ、大豆たん白を利用した食品の開発に本腰を入れ始めました。これまで大豆たん白食品は、主に自然食品店や健康食品店などの専門店で扱われていましたが、現在では大手食品メーカーの参入で、一般のスーパーでも売られるようになってきています(図1、図2)。
 またアメリカに続き、2002年9月5日、イギリスの食品表示評価団体、ジョイントヘルスクレームイニシアティブ(JHCI)が、大豆たん白の心臓病予防効果に関する英国科学者の助言を受け入れ、大豆たん白食品に対して、「コレステロール低下作用を期待できる」というヘルスクレーム(健康表示)を承認しました。イギリスの冠動脈心疾患による死亡率はゆるやかに減少しつつあるものの、世界最大といわれており、男性においては死亡原因の24%を占めて第1位で、女性は呼吸器系疾患に次ぐ第2位となっています。今後米国同様、大豆加工食品に対する需要が増えていくと考えられます。

図1
FDAの健康表示が入っている食品例(米国)
図2
大豆たん白食品例(米国)